THE BACK HORNが歌い続ける限り、自分の人生もこんなふうに続いていく――ベスト盤発売に寄せて

2011年から現在、THE BACK HORNがかき鳴らしているのは、それでもなお生きていく意志なのだと思う。孤独や葛藤に押し潰されまいとするギラついた力強さも、人とつながるあたたかな感覚も。ただいま、おかえりという些細な日常も、もうダメだっていう時に颯爽と駆けつけてくれるヒーロー感も。形はいろいろだけれども、万人のすぐ側に寄り添い、語りかけるような普遍性でもって、生きていくということを歌っている。そんな歌を聴いて僕は生きていけるし、貰ったエネルギーをライブで返して、また新しい歌に救われたりする。彼らが歌い続ける限り、僕の人生はそうやって続いていくのだと思う。今回のベスト盤を聴いていると、ほんとにここまで書いたようなことが心の中をザーッと駆け巡る。で、やっぱり彼らのすごいところは、どんな曲をいつ鳴らしてもそこに嘘がないことだと思う。多くのバンドにとっては最新曲こそ真実で、昔の曲も人気があればライブで演るけれど、感情を無理やり引っ張り出さなければいけなかったり、音楽的に至らぬ点が目立ってしまったりする。しかし本作のDISC2、つまりファン投票によって選ばれた“冬のミルク”、“ひょうひょうと”、“ジョーカー”といった初期曲は今でもよく、一切のブレがない形で演奏されるし、“何処へ行く”にあった孤独は今年リリースのシングル“孤独を繋いで”に通じるし、新録の“泣いている人”、“無限の荒野”はハーモニー、タイム感、サウンドデザインがしっかり刷新されている。そしてDISC1の最新ナンバー“グローリア”は、《友達よ》と語りかける身近さが最新たるゆえんなのだけど、ここで描かれる想いやメッセージはキャリアを通してずーっと叫んできたものだ。それを“グローリア”と名付けること。いろいろありすぎた約20年に今は誇り高く胸を張れるその感じが、なんかすごくいいよねって思う。来年迎える20周年本番以降も、さらに盛り上がったTHE BACK HORNを見せてくれることだろう。(秋摩竜太郎)
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