【知りたい】ジョン・フルシアンテ、エレクトロへの方向転換とレッチリ脱退のワケ
2017.09.06 21:00
トリックフィンガー名義での新EP『Trickfinger II』を9月20日にリリースするジョン・フルシアンテだが、レッド・ホット・チリ・ペッパーズからの脱退後、エレクトロニック・ミュージックへの方向転換を果たしている。
ジョンは2009年にレッド・ホット・チリ・ペッパーズを脱退して以来、しばらくはソングライター/ギタリストとしての活動を経て、2010年代以降は積極的にエレクトロニック・ミュージックの楽曲を制作。トリックフィンガーとしての音源は自身がエレクトロニック・ミュージックを習得していた2007年に制作されたものだという。
トリックフィンガー名義では2015年に1stEP『Trickfinger』をリリースしており、今月リリースされる新EP『Trickfinger II』も同時期に制作されたものだ。
当時はこの大胆な方向転換に驚いたファンも多かったようだが、今回は「Billboard」や「thump」に対して語られたジョン・フルシアンテ自身の言葉をもとに、ジョンとエレクロとの関係性を改めて探っていきたい。
ーエレクトロは僕の存在そのものとあまりにも自然に溶け合っているもの
「いわゆる伝統的な形での作曲法は、もうとっくの昔に辞めちゃってるんだ。昔は例えば、歌詞とかが、僕の頭の中で起きていることを垣間見せてくれるものだったかもしれないんだけど。でもエレクトロニック・ミュージックで僕がやってることは、僕の存在そのものとあまりにも自然とに溶け合っているものなんだ。
僕の生き方を映し出しているものだし、きっと僕が考えてることも映し出しているものだと思うんだけど、実はもっと数字みたいなものになってきてるんだよね。
例えば、僕の考え方まで完全に音楽的なものになっていたりもするんだ。今は僕の頭の中の大部分が、そういうものに占められてるんだよ。それと僕の音楽においては、他人が作ってる音楽から見えてくるたくさんの隙間を自分から埋めていくようなものになってると思うんだよね。
僕は歴史上のあらゆる時代の音楽がどれも大好きだから、自分で閃いた音楽的なアイディアについても、全部使い尽くされるまでにはまだまだたくさんやりようがあるって分かるんだよ。だから、そういう穴や隙間を埋めようとしてやってることがすごく多いんだ。ギャップを埋めていくっていうのかな」
ー現代的な意味合いでの作曲家として生きていくなら、こういうことも始めなきゃ
2007年にアシッド・ハウス的なサウンドに取り組み始めた理由については以下のように語る。
「これは(エレクトロニック・ミュージックの)語彙を習得するためだったんだよ。例えば、ギターだったら、一度にひとつのことだけをやってるんだけど、アシッド・ハウスをやるとなると15台くらいの機材を同時に使うことになるんだ。
だから、一度に色んなことをやるっていうことに、思考として慣れていかなきゃならないんだよ。エレクトロニック・ミュージックにおける僕のヒーローの多くは、例えばエイフェックス・ツインとか、スクエアプッシャーとか、みんなアシッド・ハウスが出発点になってるから、僕自身が現代的な意味合いでの作曲家としてこの先の人生を生きていくつもりなら、そういうことも始めなきゃならないよなって思ったんだよ」