11月12日に新作『ソニック・ハイウェイズ』をリリースするデイヴ・グロールはバンドが結成何十周年を記念して旧作をまるごとライヴで演奏するのを批判する一方で、フー・ファイターズのファーストをそっくりそのままリメイクしようと考えていたことを明らかにしている。
フー・ファイターズのファーストはカート・コバーンが自殺してニルヴァーナが解散した1994年の翌年にリリースされていて、来年でリリース20周年を迎えることになる。もともとはデイヴが一人で作り上げたアルバムで、これをバンドとしてレコーディングし直そうと思い立ったそうだが、説得されてやめることにしたという。NMEの取材にデイヴは次のように経緯を説明している。
「ある時点で俺はこう思ったんだよ、『これやったら面白いんじゃないかな、フー・ファイターズのファーストを今のバンドでレコーディングし直すんだ。というのも、ファーストは実はフー・ファイターズじゃなくて、俺だけでやったアルバムだからね。だから、20周年記念に今のバンドでスタジオに入ってレコーディングし直したらどうだろう? 曲も同じ、アレンジも同じ、曲も同じ、ただ、フー・ファイターズ2014年現在として』ってね。そうしたら、テイラー(・ホーキンス)が『頭おっかしいんじゃね!? そんな最低なアイディアほかに聞いたことないよ! みんな、そんなの毛嫌いするから!』って反対したんだけど、パット(・スメア)は『それだからこそ、やる価値があるんだよ!』って言ってたんだよね」
その一方で、20周年を迎えたところで、ファーストの全曲ライヴを行うことなどはありえないとデイヴは次のように語っている。
「冗談じゃないよ! バンドのツアーがあるアルバムだけをまるまる演奏するだけっていうのは最悪だと思うよ。そういうの、俺ほんと嫌いだから。そういうことをバンドがやるのはよくないと思うよね。傲慢なことだよ。安直だし。でも、じゃあ、スタジオに入って、みんなが嫌がるからって理由からだけでアルバムをレコーディングし直すのは? これも結構しょぼいよな。どうしてそういうことやるのかよくわからないんだよ。ファーストはファーストでもう終わった話だし。っていうか、またあの時期を再訪するためにあの頃の古い曲を演奏する分には構わないと思うんだよ。でも、20周年を記念するのに20年前のことばっかりに気持ちを向けるのはいいやり方じゃないと思うんだ。むしろ、過去20年全体に目を向けるべきで、2年前も、6年前も、8年前のことも一緒に振り返るべきなんだよね」
なお、アメリカ8都市で制作されたフー・ファイターズの新作『ソニック・ハイウェイズ』は11月8日14時からRO69で先行試聴できます!
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