トム・ウェイツ幻のアニメ・クリップ、製作35周年を迎え映像修復のための資金募集へ
2014.09.10 17:30
トム・ウェイツがキャラクターとなり"ザ・ワン・ザット・ゴット・アウェイ"を歌う短編アニメ『Tom Waits for No One』の監督を務めたジョン・ラム監督が、この作品の資料保存のための製作資金を資金募集サイトのキックスターターで9月18日から募るという。
この作品は1976年のトムのアルバム『スモール・チェンジ』収録の"ザ・ワン・ザット・ゴット・アウェイ"をアニメのトムが歌うという内容のもの。アニメの方は79年に製作され、一部の映画祭などで公開されたものの、当時のアメリカにはミュージック・ビデオというプロモーション・ツールもなかったので、伝説的なアニメとして語り継がれたまま埋もれてしまうことになった。
今年がこの作品の35周年に当たることから、作品と作品資料の修復をラム監督は思い立ったそうで、その成果を来年イヴェントとして公開するという。たとえば、この作品はまずモデルによる実写の映像を撮影し、そのフィルムのコマをアニメに起こすロトスコープという手法で製作されているが、トムはこの元となった実写映像にもモデルとして出演していて、そうしたフィルムなどを今回の修復でデジタル化し、来年のイヴェントで上映するとのことだ。また、オリジナルのセル画やロトスコープ用のトレス台などの修復や修繕も行われる。
なお、イヴェントはロサンゼルスにあるキャッチライト・スタジオというイヴェント会場で来年の3月20日と21日に開催されるが、ここはもともとトムがこの作品の実写の撮影を行ったスタジオで当時はラブレア・ステージと呼ばれていたとか。
『Tom Waits for No One』はこちらから。