最初に、前述のここでイベントをやる理由が紹介されたあと、中学時代の志村が参加しているSEがかかり、実に4時間に及ぶライブが始まりました。
SE 大地讃頌(富士吉田市立下吉田中学校 平成七年度卒業記念CDより)奥田民生
1.桜の季節安部コウセイ(HINTO)
2.虹
3.モノノケハカランダハナレグミ
4.ダンス2000
5.ルーティーンクボケンジ(メレンゲ)
6.バウムクーヘン
7.赤黄色の金木犀斉藤和義
8.地平線を越えて
9.笑ってサヨナラハヤシ(POLYSICS)
10.TAIFU
11.B.O.I.P藤井フミヤ
12.タイムマシン
13.若者のすべて氣志團
14.ダンス2000
15.茜色の夕日和田唱(TRICERATOPS)
16.Strawberry Shortcakes
17.陽炎真心ブラザーズ
18.TEENAGER真心ブラザーズ&スカパラホーンズ
19.線香花火スカパラホーンズ
20.Surfer KingPUFFY
21.DOKI DOKI
22.Bye Bye片寄明人(Great3,Chocolat & Akito)
23.花
24.サボテンレコード吉井和哉
25.マリアとアマゾネス
26.Anthemくるり
27.Sunny Morning
28.銀河アンコール29.会いに奥田民生
30.茜色の夕日と、親友、友人、アマチュア時代の先輩、プロになってからの先輩、志村に多大な影響を与えた大先輩、志村が曲を提供したアーティスト、フジファブリックをプロデュースした人、などなどが集まり、志村の書いた曲たちを歌った。あ、もちろんスカパラは歌ってなくてインスト・バージョンですが。あと、HINTOのギター伊東真一は、13曲目など数箇所で、ギターを弾きました。以上です。何が「以上です」なのかというと、それぞれのアクトについてなどは、昨日自分のブログで、11回にわたって書いてしまったのでした。
(こちら → http://ro69.jp/blog/hyogo/37440)
なので、これで終わってもいいところですが、ちょっとだけ。“銀河”をやる前に、岸田も言っていたが、とにかく、ヘンな曲を書く男だった。曲の展開、メロディの転がり方、そこへの歌詞ののっけかた、そしてその歌詞の内容そのもの、あとそれらを彩るアレンジメント全体。初めてラジオで“銀河”を聴いて、「なんじゃこりゃ?」ってびっくりした、そして好きになった、とも岸田は言っていたけど、ファンもみんな、最初はそういう感じだったんじゃないかと思う。僕もそうでした。
明るい曲でも、明るくなりきれない。團長が、“ダンス2000”をやったあとに、「歌ってみてわかったけど、こんなに軽快な四つ打ちなのに、こんなに気が晴れない曲、珍しい」と言っていたが、まさに(なお、團長によると、氣志團の“One Night Carnival”を志村が聴いて、「四つ打ち、いいっすね」って言って作ったのが“ダンス2000”だそうです。ほんとか?)。明るい暗いでいうと、基本的に暗い。ただし、どん底までまっ暗ではない。どっか余裕があったり、どっか客観的だったり、どっかすっとんきょうだったりする──これも團長曰くだけど、「いつもきょとんとした顔」のあの志村の表情そのままの、なんというか、ユーモラスな感じが、メロディにも言葉にもサウンド・プロダクトにもある。
なんで明るくないのかというと、明るくなれるような人生じゃないからだ。じゃあ、なんでどん底までまっ暗じゃないかというと、それでは何も変わらないし、何も動きださないからだ。
つまり、現実に即した、現実のための音楽だからだ、ということだ。
そうあることを目指した結果、志村は、フジファブリックは、岸田や團長が言うように、僕もか、まあ、みんなが言うように、ヘンな音楽を生み続けた、ということだ。
しかし、そのヘンな音楽が、「志村が歌わなきゃ形にならない」ものではない、さまざまな人が歌えば歌うほどさまざまに輝く、普遍的な強さを持っていること。それを証明したのが、今日のこのステージだったと思う。
お世辞でも何でもなく、よくないゲスト、ひとりたりともいなかった。みんな、すばらしい歌だったし、すばらしいパフォーマンスだった。唯一、吉井和哉が2曲目の最後で、涙をこらえているように見えたが(※僕にそう見えただけで、実際は違うかもしれません。違ったらごめんなさい吉井さん)、それ以外は全体に、ちょっとセンチだけどどっぷりセンチではない、むしろそこはかとない明るさが漂う、終始、いい気分に満ちたイベントだった。
「そんな暗くならないでくださいよ。楽しくやってくださいよ」って志村は言うだろうな、ということを、出演者も、お客さんもわかっているんだろうな、と思った。
志村が亡くなる前からやることが決まっていたライブだけど、結果的に、追悼イベント的な意味合いのものになった。ただ、こんな空気の、こんなふうにすばらしい追悼イベント、過去も、きっと未来も、他にないと思う。よかった、とにかく。(兵庫慎司)