●セットリスト
SE hereafter〜610行進曲
1.寂寞 -sekibaku-
2.PLAYBACK
3.SHRED
4.夕映え雨アガレ
5.銀色スターリー
6.So...Start
7.世界の終わり
8. 毒学PO.P革新犯
9.夏休み
10.THIS WORLD
11.Just One More...
12.「70cm四方の窓辺」
13.P.I.L
14.暴イズDE∀D
15.響く都
16.STAY REAL
17.零戦SOUNDSYSTEM
18.アイオイ
19.悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence
20.D.A.N.C.E.
21.金色グラフティー
22.Rainy
23.Error...
(アンコール)
EN1.マンダーラ
EN2.切り札
ついに来た、「ROTTENGRAFFTY PLAY ALL AROUND JAPAN TOUR 2018 in 日本武道館」。早くから集まっていたファンの中には47都道府県ツアーで回ってきた各地の市外局番がデザインされたツアーTシャツ姿も多く見られ、全国で繋いだ熱がとうとうこの地に辿りついたのだと実感する。そんな祝福と期待が高まる中、開演。お馴染みの“610行進曲”とともに5人が登場すると、手拍子と歓声が溢れる空間を切り裂くようにスリリングな“寂寞 -sekibaku-”のイントロが鳴り響く。ゾクっとする幕開けだ。「やろうぜ武道館!」(NOBUYA)、「かかってこいやー!」(KAZUOMI)の一喝で、極太なサウンドが広い武道館へ一斉に解き放たれていく。ロングツアーで鍛え抜かれた『PLAY』の楽曲はもちろん、初期から長きにわたってライブハウスに火を点け続けてきた“夕映え雨アガレ”、“毒学PO.P革新犯”などが晴れの舞台で暴れ回るさまは痛快だ。畳み掛けるように繰り出される轟音に、スタンディングエリアではモッシュやダイブが次々に発生。そこにはいつものライブハウスの熱さが生まれていた。
合間のMCでは、N∀OKI(Vo)とNOBUYA(Vo)のいつもどおり自然体で軽妙な掛け合いで武道館を爆笑に包みつつ、N∀OKIが「不器用な5人てよう言われるけど、それで何が悪いねんって思ってたし、えらい遠回りしたけど、俺らは今、ROTTENGRAFFTY史上一番上がってます!!」と堂々宣言。このステージはただ奇跡的で特別な場所なのではない、彼らが一歩一歩進んできた先に、今立っている「現在地」なのだ。そうして過去を思い起こしながら「この一瞬を!」と叫び始まった“Just One More…”、ビジョンに写されたファンの表情が印象的だった“「70cm四方の窓辺」”など、抱えてきたありったけの想いを乗せたミディアムチューンがまっすぐ突き刺さる。暴れるだけではない真髄を存分に見せつけた頃には、5人はもうすっかりこの会場を掌握していた。
再び攻めに転じて繰り出す初期曲“暴イズDE∀D”から“響く都”へ。定番のコール&レスポンスでは、オーディエンス全員が掲げた両手と、間違いなく過去最高の「ROTTENGRAFFTY!!」の声が武道館を揺らす光景に、胸が熱くなる。さらにKAZUOMIの「ここにいるおまえら全員、音でぶち殺す! これが俺らの生き様!!」と鬼気迫るシャウトから、赤いサイレンに染められたステージで“零戦SOUNDSYSTEM”を投下。日の丸の下で感じるこの曲の威力は格別だった。
後の長いMCタイムでは、メンバー5人がマイクを持ち、それぞれのキャラクターが滲む言葉で何度も感謝が伝えられた。KAZUOMIが「松原ー! 見てるか?!」と笑顔で呼び掛けたのを受けて、N∀OKIは闘病中ながら現場に立つ事務所社長・松原裕氏について触れ、「松原のことを思って書いたし、ひとりのためが、みんなに繋がってると思う。どうか音楽の奇跡の力を!」と披露されたのは“アイオイ”。アルバムツアーでは演奏されなかったこの曲が、愛に包まれたこの場所で初めて響き渡り、血が通った言葉とメロディが降り注ぐ。誰かのための音楽が、違う誰かを救い、想いが繋がっていく――彼らの信じてきた力が証明されたような、あまりに美しい瞬間だった。
そこからフィナーレに向けて一気に加速。押しも押されもせぬキラーチューン“金色グラフティー”が生みだす圧倒的な一体感に続き、“Rainy”では銀テープの特効もあり輝かしい祝祭感に溢れた――が、ラストは“Error…”で熱狂の渦へ! アンコールでは、当時バンドにとって起死回生の1曲となった“マンダーラ”をエモーショナルに披露したあと、まさしく始まりの曲“切り札”を全力で叩きつけ、やっぱり汗だくの狂騒でエンディング。締めの「俺たちが京都のROTTENGRAFFTYだ!!」という宣誓どおり、最後まで見事にロットン流を貫いた。灼熱の武道館に残ったのは、ひとつのロックバンドが刻みつけた無骨な生き様、そしてこれからも歩み続ける固い決意だった。ふたたびこの場所で会える未来を確かに感じながら、まずは来年、20周年を迎えてさらに高く跳ぶはずの彼らの姿を期待せずにはいられない。(後藤寛子)
※ライブ写真を追加しました(10/11更新)