【インタビュー】the McFaddin改めRedhair Rosy。『turn red III』のリリースを経て初ワンマンを開催。「わからないもの」を愛しながら生まれる音楽とは?

【インタビュー】the McFaddin改めRedhair Rosy。『turn red III』のリリースを経て初ワンマンを開催。「わからないもの」を愛しながら生まれる音楽とは?

【インタビュー】the McFaddin改めRedhair Rosy。『turn red III』のリリースを経て初ワンマンを開催。「わからないもの」を愛しながら生まれる音楽とは?

よく「DAWロック」って言うんです。「生まれるのはパソコンの中で、アウトプットはバンド」って矛盾なんですけど、それは自分らやからできること

──Redhair Rosyとして2024年10月に始動して以降、展開してきた「turn red」という作品のシリーズは今作『turn red III』で3作目。「turn red」のイメージ、込めているイメージは、どのようなことなんですか?the McFaddinが終わってから僕はカナダのウエストサイドで暮らしていたんですけど、Redhair Rosyの1曲目“Rush”のMV撮影で東側のモントリオールに行ったんです。VJのRyomaからの要望が「髪の毛を赤くしてきてくれ」で、それがMVのテーマでもあって。──そのために染めたんですか?はい。友人の友人の伝手で美容師さんと出会って、家の庭、ガレージで髪の毛を切ってもらいました。その時、隣のおじいちゃんが「こっち来い」と言ったので行ったら、いきなりはさみを渡されて、家庭菜園の収穫を手伝わされました(笑)。お礼としてトマトと唐辛子をもらったんですけど、緑と赤が半々だったんですよね。髪染めてる途中で頭にラップを巻いていた状態で、「俺みたいやな」と思ったのが「turn red」というキーワードに辿り着いたきっかけでした。──言語化できる具体的な意味みたいなものはあるんですか?特に明確な何かはなくて、ほんとたまたま出てきた言葉なんです。そういう「たまたまそこにあったもの」とか「わからないもの」をテーマにすることが多いですね。だから僕自身も「turn red」とは何なのか100%は理解していないです。自分たちで作ったものというよりは、実家のような「そこにあったもの」「たまたまそこに生まれもの」という感じだったthe McFaddinを経て、「バンドをやるぞ」と自分たちから作るものへと移り変わって行く様を表現するタイトルではあるんですけど。理解できないもの、いつまで経っても答えが出ないそういうものが好きです。──三部作になったのに理由はあるんですか?梅田クアトロのワンマンが決まって、できるだけ曲を作ろうと思ったんです。だから三部作になったのは結果的にそうなったということです。もしかしたら4枚になるかもと思ってましたし。今までのパッケージも、ほぼ曲ができた順です。リリックに似てる部分があったり、似てる言葉が何度も出てきたりするのは、それが理由ですね。──曲を形にすることによって見えてきた「表現したいこと」は、何かありました?「会えるだけでいい」「無駄な話が大切や」とかいうことですね。「無駄なことが大切だと気づいた」というのが、今までの3枚を振り返って感じる一貫したテーマです。──友だちとの楽しい思い出も、本当にどうでもよくて、なんであんなに笑ったのかよくわからないことだったりするものですからね。ほんとそうですね。どうでもいいことばかり思い出すけど、それが今、笑顔になれてる理由やったりするので。

──今作の1曲目“I’m here if you need to talk”も、まさにそういう曲では?はい。どうでもいい話をしているリリックですけど、「これが大事や」と言えてるなと思います。今回、この曲と“⾵切る”は新曲です。──他の4曲は配信で先行リリースしていますが、新曲はどういうものにしたいと思っていました?やっぱりダンスミュージックを意識していて。ロックって「拳が上がる」というイメージがありますけど、僕はどちらかというと身体が揺れたほうが楽しいタイプなので、そういうのも提示したいと思っていました。──“I’m here if you need to talk”もそうですが、歌にオートチューンをかけていることが多いですよね。はい。シンプルにオートチューンが好きというのと、ロックを聴いて育ってきた僕ですけど、昔みたいなものをやりたいわけではないということでもあるんです。「今やから、僕やからできたもの」をすごく意識しているので、こうなっています。──曲の展開によって熱量を高めていく作風なのもRedhair Rosyの独特さだと思います。曲を繋げながら観客を盛り上げるクラブDJのプレイっぽさが1曲に凝縮されている感じというか。そうなんだと思います。あんま意識してなかったんですけど、よく考えたらサビのない曲を作りまくってて(笑)。結果的に全体を通して昂揚するものを作ってましたね。──ドラムもカッチリしたスクウェアなノリですし。僕、よく「DAWロック」って言うんです。パソコンで曲を作って、それをリアルでやるので。「生まれるのはパソコンの中で、アウトプットはバンド」って矛盾なんですけど、それは自分らやからできることやなと思ってます。効率悪いし遠回りで不安定さも生まれるけど、生身の人間が鳴らすからこその奇跡みたいなものもあったりするので。完成しきってるものにあんまり興味がないのかもしれないです。
【インタビュー】the McFaddin改めRedhair Rosy。『turn red III』のリリースを経て初ワンマンを開催。「わからないもの」を愛しながら生まれる音楽とは?

「完璧には理解できない美しさ」というか、間違って解釈してほしいんです。その人なりの解釈があっていいので

──“bounce!”も気持ちよく踊れるサウンドです。これはコードに元ネタがあって。ウィーザーの“Say It Ain't So”とコード進行が一緒なんです。ロックバンドの曲をサンプリングしたヒップホップの曲はたくさんありますけど、そういうことをさらにバンドがやったら面白いんじゃないかなと。──同じコード進行でも、どんなメロを乗せるかはセンスですからね。カノン進行とかもド定番ですし。はい。コードはみんなのものですから。──この曲や“yamabico”とかもそうですけど、Redhair Rosyの曲は和的情緒みたいなものもどことなくある気がします。日本語で歌っているからなのかもしれないですけど。the McFaddinの時は海外でも聴いほしくて、英語で歌うことが結構多かったんです。でも、カナダでしばらく暮らして英語ができるようになって、友人もできて思ったのは、「日本語で歌おう」ということでした。──母音が強い日本語だと、グルーヴを出すための工夫が必要ですよね?難しさはあります。けど、僕はチバユウスケさんのリリックが大好きで。あの人は造語がいっぱいあって、「これ、そういうふうに聴こえるな」ってなるんです。そこからヒントをいっぱいもらってます。──“⾵切る”は新曲。生バンドのサウンドに思いっきり振っていますね。ある時、ライブで「このパソコンが止まったら俺らの曲はどうなっちゃうんだ?」となって、「それはあかんな」と思ったんです。だから「パソコンが止まってもできるよ」ということやってみたくて。けど、リリックの中に今じゃなきゃ使わない言葉を意識的に入れています。たとえば《ピン》はグーグルマップのピンだったりするので。リリックと音のギャップのバランスが気に入ってます。このリリックの最初の部分は、チバユウスケっぽいとも思っていて。《砂漠の端》みたいなのは、「よくわからないけどかっこいい」なので。──「よくわからないけどかっこいい」は、音楽と結びついた言語表現の醍醐味のひとつだと思います。確かに。メロディありきの言葉っていうのもありますし、聴くと景色が浮かんだりしますからね。“⾵切る”も「完璧には理解できない美しさ」というか、間違って解釈してほしいんです。その人なりの解釈があっていいので。──“Radio before school”は、描かれていることがわかりやすい曲かも。ラジオを聴いて世界が広がった体験の曲ですね。ほぼほぼ実話です。高校生の時とかに親父の車に乗ってラジオを聴きながら学校に行ったりしてたんです。久しぶりに実家に帰って親父の車に乗った時、同じラジオを聴いてて。「もう二度と学校には行かへんねんなあ」、「親父ももうこんな年齢か」とか、そういう感情や景色がリリックになってます。あと、この曲には珍しくサビがあります(笑)。──(笑)。“8abyrousa”は、「バビルサ」と読むんですよね?そうです。ラジオでバビルサについて「死を見つめる動物」と話しているのを聴いて。バビルサは牙が伸びるんですけど、最終的に脳天に刺さって死ぬケースがあるらしいです。「死を見つめる動物」って人間もそうですよね。長くても100歳とかで死ぬじゃないですか? そういうことを友だちと話した時の曲です。オチがないそういう話をしている時間がとてもスペシャルやったなあっていう。欲望っていろいろあるけど、ほんまのこと言えば会えるだけでいいっていうピュアなラブソングを書けました。そういうことの大事さを詰め込めたのが『turn red III』ですね。完成した今、僕らが直面している難しさは、実際に人に聴いてもらう、伝えるという部分です。だからライブをしないといけないなと。──3月27日の梅田クラブクアトロでの初ワンマンは、そういうことの第一歩?そうです。「実際に目を見て、生音で演奏して」っていうことのためにライブをしていると最近思えていて。──Redhair Rosyのライブの特徴は、どのようなところにあると自負していますか?音楽は耳で楽しむものですけど、うちにはVJがいて、ライトとかも持ち込んでるので、僕らだからこそのものを普段から届けられていると思います。ナイトクラブでのパーティーとかも打っていて、それは僕らの中で「ギグ」。今回のワンマンは「ショー」。その一歩目が3月27日ですね。──ワンマンですから長尺にもなりますよね。40分、60分とかでは絶対にできないセットリストを組んでます。Redhair Rosyの今までに出した曲は15曲しかないので、そこをどうするのかも楽しみにしていただきたいですね。ワンマン以外では出さないかもしれない作品も用意しています。昔を振り返ったり、今を見つめたり、僕らがどういう日々を過ごしているのかが伝わるようなワンマンになります。みんなの何かを動かすつもりで演奏します。
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