【インタビュー】ブラックミュージック経由のグルーヴとJ-POP直球のメロディライン。仙台発の4人組バンド、BILLY BOOがニューシングル『ラプソディ』で示した独自のスタイルと決意

【インタビュー】ブラックミュージック経由のグルーヴとJ-POP直球のメロディライン。仙台発の4人組バンド、BILLY BOOがニューシングル『ラプソディ』で示した独自のスタイルと決意

10代の頃からずっとアニメのタイアップをやりたいと思ってたんですよ(KAZUKI)


──では、ニューシングル『ラプソディ』について聞かせてください。表題曲“ラプソディ”はTVアニメ『謎解きはディナーのあとで』エンディングテーマです。

KAZUKI 10代の頃からずっとアニメのタイアップをやりたいと思ってたんです。
勝手にそのための曲も作ったりしてたし(笑)、そういう話、ずっとしてたよね?

MITSU してたね。

KAZUKI 僕らの世代だと『銀魂』とか『NARUTO』とか『BLEACH』なんですけど、アニメの曲をやってたバンド──BLUE ENCOUNTSPYAIRKANA-BOONとか──も聴いていて。なので今回のお話があったときはめちゃくちゃ嬉しかったです。言霊というか、やりたいことはやっぱり口に出すべきだなって思いました。

──“ラプソディ”の制作はどこからはじまったんですか?

KAZUKI 最初はメロディですね。ちょっと前に作ったメロディで、KEIも「めっちゃいいね」と言ってて。最初はバラード調だったんですけど、KEIにブラックミュージックっぽいコードを乗せてもらったら「これだ!」みたいになって。

KEI メロディ自体は王道のJ-POPという感じだったんです。KAZUKIに「おしゃれなコードをつけて」と言われて(笑)、テンション系のコードを試してる中で「この感じは今までになかったな」というコード進行が見つかって。

MITSU とにかくメロディが強くて、「いい曲になるな」と思ってました。


──ベースラインもブラックミュージックのテイストが反映されていて。

MITSU 今はヒップホップばかり聴いてるので、それが出てるのかもしれないです。あとはロー(低音)ですね。ヒップホップはロー感がしっかり出ている曲が多いし、“ラプソディ”の音作りでもそこはこだわっていたので。

RIKIYA ドラムに関しては、メロディを邪魔しないことを意識していました。あとはヒップホップのノリが出るようなバスドラのフレージングだったり、聴いていて身体が揺れるような感じを出したくて。

KAZUKI 僕もドラムを叩くし、アレンジでもビートを大事にしていて。“ラプソディ”のリズムは80~90’sのオールドスクールから引っ張ってきてるんですけど、この曲に限らず、「踊れる」というコンセプトはずっとあるんですよ。お客さんが手を挙げて、クラブで踊るみたいな感じでノレる曲というか。演奏自体はかなり後ろノリでスウィングしていて。

──確かに。でもボーカルのリズムはスクエアですよね。

KAZUKI ボーカルも後ろノリになると、「ブラックミュージックを聴けばいいじゃん」ってなっちゃうので。J-POPとブラックミュージックの間のいいとこ取りじゃないと意味がないし、スクエアに歌うことは意識してましたね。

──歌詞は『謎ディ』のストーリーや世界観を汲み取っていると思いますが、どんなところにフォーカスしていましたか?

KAZUKI ドラマ版も好きだったし、今回改めて原作も読ませてもらったんですけど、ミステリーでありつつ、コメディの要素もあるじゃないですか。今回のアニメもその両方がいいコントラストになっているし、歌詞もそれに合うような内容にしたかったんですよね。たとえば《螺旋迷路》はミステリーに似合うと思うし、《軽快なステップで》とか《踊る鼻歌 奏でる》みたいな軽やかなフレーズも入れて。

──いろんな謎や事件がありつつも、最後は《行く先は一つ きらり 光る明日へ》と前向きなフレーズで終わるのも印象的でした。

KAZUKI 『謎ディ』って、いろんな事件が起きるんだけど、必ず解決するんですよ。
最後はちょっと柔らかい雰囲気になって次につながる感じがあるので、エンディングテーマも暗いままで終わるのは違うのかなと。サウンドにも爽快感があるし、それを邪魔しないようなリリックにしたかったんですよね。

──ライブ映えもしそうですね。

MITSU ちょっと前からやってるんですけど、みんな笑顔で聴いてくれて。

KAZUKI そうだね。BILLY BOOのファンはJ-POP好きの方が多いので、ちゃんとメロディを聴いてくれて。それも伝えたいところだったので、願ったり叶ったりです。
【インタビュー】ブラックミュージック経由のグルーヴとJ-POP直球のメロディライン。仙台発の4人組バンド、BILLY BOOがニューシングル『ラプソディ』で示した独自のスタイルと決意

自分たちの強みは楽曲の良さ。まずはできるだけ多くの人に聴いてもらうことが大事(KAZUKI)


──カップリング曲“Dejavu”は、多彩なビートが楽しめる楽曲。このトラック、かなり独創的ですね。

KAZUKI まさにトラックから作った曲なんですよ。KEIがもとになるトラックを作って、そこから電話でやり取りして。

KEI 本当に電話でのやり取りだけだったから、「これで合ってるかな?」って迷いながらやってました(笑)。尺的には短いんですけど、その中でどう展開させるか?を考えて。

KAZUKI うん。ちょうど3分くらいのスッキリした曲なんだけど、意外と展開が多いんですよ。ツーステップの要素も入ってるんですけど、そういうジャンルの曲って結構短いんですよ。特に海外はそうなんですけど、僕らも吸収できるところは吸収しようと。

MITSU KAZUKIと地元の駅にいるときにデモを聴いたんですけど、そのときからすごくいいなと思ってました。シングルの表題曲になってもいいような強い曲だなと。

RIKIYA かっこいい曲ですよね(笑)。展開が多くて満足感があるし、サビのメロディは「これはなかなか思いつかないな」って。

──歌詞のテーマはドライブデート?

KAZUKI そうですね。コロナ禍のときって、ドライブくらいしかやることがなくて。店もやってないし、音楽を聴きながらドライブして、公園で時間つぶして帰る……みたいなことを繰り返していたんです。「ドライブがきっかけで付き合いはじめた」みたいな話もよく聞いていたし、その頃のことがずっと記憶に残っていて。この曲を作ったときに、あのときのことを歌詞にしてみようと思ったんですよね。

──地方都市らしいエピソードですね。

KAZUKI 仙台は結構都会なんですけど、僕らが住んでるところはちょっと外れてていて。車がないと何もできないような場所なので、ドライブしながら話したり、音楽を聴くことが多いんですよね。

──目標のひとつだったアニメのタイアップ曲をリリースして、6月以降もフェスやイベントに出演。間違いなく上昇ラインに乗っていると思いますが、今後のビジョンは?

KAZUKI 自分たちの強みは楽曲の良さだと思っていて。まずはできるだけ多くの人に聴いてもらうことが大事だと思うので、引き続きタイアップもやっていきたいし、とにかくいい曲を作っていきたいですね。それをしっかり続けていけば、曲の良さが伝わるはずだし、僕らが目指している景色が見えてくるんじゃないかなと。

MITSU 最近はイベントや対バンライブが多いので、ワンマンライブをやりたくて。1年やってきてライブ自体にも慣れてきたし、もっとかっこいい姿だったり、新しい景色を見せられると思うので。

RIKIYA 今年の3月にソニーのコンベンションライブに参加させてもらって。会場ががZepp DiverCityだったんですけど、すごく楽しかったんですよ。広い場所はやっぱりいいなと思ったし、次はぜひワンマンでやりたいです。

KEI いい曲につながるトラックを作りたいし、ライブのキャパも上げたいですね。ライブならではのアレンジ、パフォーマンスができるのも自分たちの良さだと思ってます。

──期待してます! ちなみにBILLY BOOというバンド名も地元とつながりがあるそうですね。

KAZUKI よく行ってるラーメン屋さんが「ビリー」という名前なんですよ。ちょうどバンド名を考えてるときもラーメンを食べてて。ビリーってかわいいなと思ったのがきっかけです(笑)。

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