EDMのビッグ・ネームが名を連ねた今夏のフジ・ロックにあって、ビョークの後のスペシャル・ゲスト枠という大役を担ったのがこのフィード・ミーことジョナサン・グーチだった。UK出身の現在29歳、デッドマウスのレーベルから半ば鳴り物入りでデビューを果たし、ロック畑寄りな所ではミューズやゴリラズをリミックス、トゥー・ドア・シネマ・クラブ“ホワット・ユー・ノウ”のカヴァーなども話題になった。また、コーンのEDM接近作においては“ブリーディング・アウト”をプロデュースしている。本作は、そんなフィード・ミーによる待望のデビュー・アルバムである。
今日のEDMバブルにあってキャリアの明暗を分けるのは、何よりもビートの質感であると断言したい。どれだけ派手な上モノで煽り立てても、話題性たっぷりなフィーチャリングがあっても、ビートがずさんであっては踊れるものも踊れない。優れたEDMタレントは、やはり現場主義的なダンス・ミュージックの成熟を深く研究していると思う。フィード・ミーは現代的な音の手触りの根底で、UKブレイクビーツの正統後継者と言えるプロダクションが信頼をもたらしてくれる。(小池宏和)