可憐なる「痛み」の歌い手

ハルカトミユキ『真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。』
2013年03月13日発売
MINI ALBUM
ハルカトミユキ 真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。
1st e.p.『虚言者が夜明けを告げる。僕たちが、いつまでも黙っていると思うな。』から4ヶ月。早くも届いた2nd e.p.が本作だ。女性ふたり組という可憐なイメージと、楽曲が発する痛みの感覚が合わさって、なんだかひどくヒリヒリしている。甘さと毒気たっぷりの全5曲だ。 
 
詩人でもあるハルカ(Vo・G)の言葉はとても鋭い。《こんな世界に今更期待などしない/閉じ込められた果てに僕らは/みんな壊して笑ってやるよ》(“ドライアイス”)。《「勝てないお前が悪い」/「勝てない私が悪い」/勝てないお前が悪いから》(“ニュートンの林檎”)。厭世的で、自虐的な言葉が目立つ。でも不思議と曲を聴いた感触は重くなく、軽やかだ。ハルカの歌声の透明感と、メロディのわかりやすさゆえだろう。しかし彼女たちの曲調は軽いからこそ攻撃的なのだ。その軽さは、行き場を見失った若者が、自分自身に感じる「存在の軽さ」と似ている。「軽さ」をありのまま突きつけてくるから、彼女たちの音楽はリアルで残酷だし、そこが魅力的でもある。今後彼女たちがその先にある光や希望を歌う日が来るなら、それも聴いてみたい。(福島夏子)
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