ジャック・ジョンソンが中心となってハワイの環境問題支援団体コクア財団のために行っているコクア・フェスティヴァルのライヴ盤。フェスは不定期的に数年おきに行われているが、そのうちの主だった過去のパフォーマンスからの名演集となった内容で、すべてジャックとの共演という形になっているが、特に人選の確かさという意味でも侮れない内容になっている。ジャックがフェス開催に向けて尽力している妻に捧げた“ベター・トゥギャザー”で手堅く始まってからは、ジギー・マーリー、デイヴ・マシューズ、G・ラヴなどジャックの呼びかけに馳せ参じそうな顔触れが揃う一方でエディ・ヴェダーやジャクソン・ブラウンなど、ちょっと意外な客演も実現していて驚いたが“テイク・イット・イージー”というジャクソンの大ネタまでもちろん披露してみせる。その一方でブルースの大家他事・真はーるによるリズムをよく刻んだ名演もあれば、ベン・ハーパーによるボブ・マーリーのカヴァー、そしてダミアン・マーレイの“ウェルカム・トゥ・ジャムロック”も登場してこうして一枚に凝縮されるとあまりにも見事な内容となっている。(高見展)