抜群の安定感を誇るフィーダー節に満ち溢れた、通算8作目のフルAL。『レネゲイズ』プロジェクトで再確認された彼らのアグレッシヴネスと、グラントの流麗なメロディがしっかりと手を取り合う絶妙のバランス感覚。今日のUKロックの王道として身を委ねるべき作品である。とはいえ、彼らの安定感というのは失速を前提とした慣性航行とはほど遠いものだ。ブリットポップの余韻が残る90年代後半にグランジ(ニルヴァーナやスマパン)からの影響を堂々と晒しながら登場したフィーダーは、スリリングかつダイナミックなロックの呼吸法とUKバンドらしい流麗なメロディを融合させる形で、時代の波に逆らいながらサウンドの方向性を提示した。いつバンドが解散してもおかしくないような波乱の数々を乗り越えて来たのはよく知られるところ。本作にも、時代の混乱を全身で捉え、リスナーと共にあがき、歌うフィーダーがいる。
聖歌の如き崇高な響きを持つ表題曲が秀逸。また、震災に寄せられたシングル“サイド・バイ・サイド”、それに後藤正文と細美武士がそれぞれリード・ヴォーカルを吹き込んだボートラ群も最高だ。(小池宏和)