昨年、ニンジャ・チューンからリリースされたザ・ケミスツのデビュー作は、iTunesストアの年間ベストでも選出されるなど好評だった。サマソニ含めて2度の来日があったことだし、デビュー早々成功を収めたと言っていいだろう。トレンドなど一切お構いなしの、我が道をゆく人力ドラムンベース・ミクスチャーがこれだけの支持を獲得したことは実に痛快極まりない。というわけで勢いに乗ったままリリースされるセカンド・アルバムが本作である。基本路線は変更なし。各方面からボーカリストを多数招きつつ、今回もエレクトロニックなノイズを撒き散らして転がるダンサブルなバンド・サウンドを展開している。
なのだが、先行シングル“ユア・レヴォリューション”や、女性ボーカルが歌う“フェイディング・ヘイロー”など、湿り気を帯びたメランコリックな曲の存在も気になる。多くのステージを経てこういう曲が生み出されたということは、そこに新たな試みと自信が込められているということだ。ビートとノイズを浴びせかけるだけではない、多角的なライブ体験を目指している。次回来日が俄然楽しみだ。(小池宏和)