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約3年ぶりのフルアルバム『元気でいてね。』。元気でね、ではなく「いて」が入る。漫画調の通常盤ジャケットに「FOREVER」の文字があるので、少なくとも「末長く」というニュアンスは込められているのだろうが、再会を前提とした言葉にも、あるいは「居て」と願うようにも感じられて想像を掻き立てる。いずれにせよそこに聴き手の存在があることは、近作のWurtSによる他者へと呼びかけ導くような表現と符合している。実際、今作でも「君」へと向けられた想いは至る所に出てくるし、サウンド面のコミュニケーション能力も一段と増した。楽曲単位も実に粒揃いで、洒落た上物と疾走するビートが融合した“ミスサンシャイン”から、インディーロックやシューゲイザー色の濃い音にかつてないほどグッと力感を込めた歌が乗る“YOU AND I”へ至る流れなど絶品。メロディやアレンジに過剰さは一切なく、ある種の脱力感さえ纏うのに、快楽を生むツボをピンポイントで捉える鋭さと自在性が飛躍的進化を遂げた、文句なしの名盤だ。（風間大洋）（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年12月号より）
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