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2020年代に入ってからのこのバンドの、幕張メッセ2デイズにまで至るジャンプアップの仕方に関しては、正直、「嘘だろ?」と思っているところがある。と言うと、ものすごいディスっているみたいだが、そうではなくて。登場当時、ソウルやロカビリーやブルーグラス等のテイストがばりばりに出たバニラズの音楽性は、その頃のいわゆる「売りやすい音楽」とはあきらかに異なるものだった。メンバーのキャラクターが功を奏して、新人バンド勢の中に違和感なく溶け込んでいたが「いや、違うから。きみたちもっと濃くて厄介な人たちだから」と言いたくなった。で、それを上手いこと薄めてブレイクしたのかと言うと、キャッチーにはなったし、前述のテイスト以外の音楽性もさまざまに入ってきたが、濃いまんまだ。この新曲もそうで、ポリティカルな歌詞といい、80年代から現在までミックスしたような曲展開及びアレンジといい、相当なことをやっている。こういうバンドが支持を集めているという事実に、気持ちが明るくなる。(兵庫慎司)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)『ROCKIN'ON JAPAN』6月号のご購入はこちら