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この音だ。ねぐせ。の音に僕は心を鷲掴みにされる。特にドラム最高。ダイナミックだが押しつけがましくない。華やかで叙情的だが、一貫したタイトさがある。その1音1音には「俺たちは今この瞬間に輝くんだ!」という意志が凝縮されているが、その力強さで聴き手を捻じ伏せる下品さはない。聴き手と適切な距離感で生まれる幸福な高揚感がある。あの奇跡のようなライブで生まれているものが、ライブの再現という形ではなく録音芸術としても明確に表現されている、とも言える。熱狂と安心感が絶妙なバランスで同居する、この音。やはり、ねぐせ。は新しくて特別なロックバンドである。初のフルアルバムであり、完璧な1stアルバムと言える。R&B的なメロウさ持つ“恋と怪獣”や、ストリングスアレンジで生まれ変わった“花束が似合う君へ (fantastic ver.)”のような音楽的な新機軸もあるが、最終的には「ねぐせ。はねぐせ。である」というところに集約される率直さ。この傑作に、彼らも僕らも、この先何度でも立ち返るだろう。(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年4月号より抜粋)『ROCKIN'ON JAPAN』4月号のご購入はこちら