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今年3月のライブをもってグループとしての活動に終止符を打ち、感情線あくびのソロプロジェクトとして再始動したMAD JAMIE。エッジを効かせた軽快なポップチューンである今作は、あくびが初めて作詞を手がけた曲でもある。他者へうまく気持ちを打ち明けられず、月へ語りかけていたという経験が元になっていることもあり、《嘆き、悔しい、悲しい、不安》といったネガティブなワードが並ぶが、根底にあるのは明日へ手を伸ばしたいという揺るぎない願い。だからこそ思い悩むわけで、そんな感情の機微が飾り気なく綴られている。取材を通しても感じたが、あくびはとても純真だ。何かを取り繕ったり、余計なフィルターをかけた発言はせず、強い責任感を持って感じたことをそのまま話してくれる。これまでは現状打破的なパンクロックアイドルとしてのスタンスを明確化するメッセージ性の曲も多かったが、あくびのパーソナリティが色濃く反映された結果、新たな魅力が生み出されている。(ヤコウリュウジ)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年8月号より抜粋)
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