SEKAI NO OWARIのライブエンターテインメントを鑑賞するたびに、音楽ライブの可能性――どういった空間やストーリーの中で音を鳴らすと日常的にはたどり着けないところにまで思考や想像を広げられるか、ということにおける新境地を見せてもらう。このたび映像化される「SEKAI NO OWARI DOME TOUR 2022「Du Gara Di Du」」は現時点におけるセカオワの最高到達点といっていい。時は2122年、観覧車やメリーゴーラウンドなどが設置された遊園地を舞台に、言論の自由、プラスチック問題、ジェンダー論などについてキャラクターのガルルがナビゲートし、歴代の楽曲たちが演奏されていくのだが、その中で結成時からすべての楽曲に通底するセカオワのスタンスが浮き彫りになっていく。Fukaseが敬愛するディズニーが得意とするような社会問題を取り上げながら子どもも楽しめるエンターテインメントに仕上げる方法も、目を背けたい物事もファンタジーでコーティングする不気味さも孕んだ美しい描写も、ポップアートの真髄であり、それを音楽ライブという形で究極的に突き詰めた作品。(矢島由佳子)(『ROCKIN'ON JAPAN』3月号より)ご購入はこちら