ミニアルバム『Cheddar Flavor』以来のリリースとなるシングル『Chilly Chili Sauce』。2枚のタイトルとジャケットからは、対になっているイメージも湧く。タイトルの如く、WANIMAのピリッとした、シリアスなところが詰まっており、ただただ明るいナンバーや、セクシー路線はない。『Cheddar Flavor』と合わせて味わってほしいということなのか、今の彼らのモードが全面的に表れているということなのかはわからないけれど、彼らの音楽に対する想いが、より強くなっていることは確かだと思う。

さらに感じたことは、彼らがライブを思い浮かべながら今作を生み出したのではないか、ということ。どれも、生で浴びたくなるパッションと、口ずさみたくなるフレーズに溢れているのだ。曲間もあっという間。それでいて、歌詞からは喪失と希望がリアルに聴こえてくる。ライブは、もちろん楽しい場所だけれど、それ以上に生きる意味もある。そう、改めて感じる今日この頃だからこそ、今作の楽曲は響くはずだ。あらゆる感情を包み込むラストナンバー“ネガウコト”が、たまらなく素晴らしい。（高橋美穂）

『ROCKIN'ON JAPAN』5月号より