見事過ぎる曲とアレンジはさすが
グウェン・ステファニー『ユー・メイク・イット・フィール・ライク・クリスマス』
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自身にとって初のチャート1位アルバムとなった前作『ディス・イズ・ホワット・ザ・トゥルース・フィールズ・ライク』が前夫でブッシュのギャヴィン・ロスデイルとの決別アルバムにもなったグウェン・ステファニー。今後の方向性も注目されるところだが、ここにきてのクリスマス・アルバムが今作。なぜ、ここでクリスマス・アルバムなのか。それは新しいパートナーでカントリー・アーティストのブレイク・シェルトンとの関係を綴ったロマンティックな楽曲群とクリスマス・ソングとの親和性がどこまでも高いからだ。定番クリスマス曲のアレンジも素晴らしく、“ジングル・ベル”は“ジングル・ベル・ロック”的なサウンドを打ち出してあくまでもロック・アルバムであると断りつつアンドリューズ・シスターズばりの40年代ポップス的な凝ったコーラスがどこまでもノスタルジックで甘い空気も醸し出し、その後のラブ・ソングへの布石ともなっている。聴くべきはもちろんそのラブ・ソングとなったオリジナル楽曲群で、R&Bとしての作りが見事な曲が揃っていて、グウェンの力量と説得力とセンスのよさをみせつける作品に仕上がっている。(高見展)