メジャー進出20年を迎えた2014年に、オリジナル・メンバーであるジミー・プレスコット(B)、ジェフリー・クレメンス(Ds)とタッグを組み&スペシャル・ソース名義のアルバム『シュガー』を発表したG・ラヴ。スペシャル・ソースのノリがいいテンションであったのか、1年余りでプロデューサーのロバート・カレンザ含め、同布陣でのアルバムが完成した。冒頭のタイトル曲から、デイヴィッド・イダルゴ(ロス・ロボス。前作にも参加)の骨太なギターが炸裂する今作は、『シュガー』でも登場した人など所縁あるアーティストとセッションをし、G・ラヴ&スペシャル・ソースのオールドスクールを極める一方で、真新しい味をブレンド。どの曲もリラックスしているが、リズムやアンサンブルの行間から、エネルギーがはみ出さんばかりの緊張感がみなぎっている。ライヴ感あるオゾマトリとのセッション、シティズン・コープとのタッグによる“ミューズ”ではマニー・マークのピアノも聴きどころ。プレイヤーの存在感や人間性を物語る濃さを引き出した華やかなサウンドは、彼のルーツであるジャズ、ブルース、そしてヒップホップの本質。軽やかに、そんな肝を鳴らしているアルバム。(吉羽さおり)