英リーズ出身のダイナソー・パイル・アップの2年4か月ぶり3作目。前作はフロントマンのマット・ビッグランドのワンマン録音だったが、今回は3ピース・バンドを率いての制作。プロデュースは前作のエンジニアで、ロイヤル・ブラッドやキリング・ジョークを手がけたトム・ダルゲティが抜擢された。2年連続でサマーソニックで来日してそのバンドとしての実力もたっぷりと見せつけ、いわば勝負の3作目である。
音楽的に言うとポスト・グランジというか90年代オルタナティヴへのオマージュとも言うべきヘヴィでダイナミックなギター・サウンドが持ち味で、その頃の音が好きなら抗えないだろう。ぼんやり聴いているだけでもあの時代の有名バンドの名前が次々と浮かんできて楽しい。今のラインナップでたっぷりライヴ経験を積んだであろうバンド・アンサンブルは迫力たっぷり。サウンド・プロダクションも前作よりぐっと骨太になって、音楽性には見合っている。
音楽性にもプロダクションにも迷いがなく狙いがはっきりしている分、意外性や独自性には乏しいが、こういうロックらしいロックはいつの時代でも絶対なくならない。(小野島大)
単独来日も決定!
ダイナソー・パイル・アップ『イレヴン・イレヴン』
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