日本各地のライブハウスを巡演中の新星、スターベンダーズに注目! 素晴らしく強烈なライブ・パフォーマンスを目撃せよ
2019.05.09 18:30
スターベンダーズというバンドをご存知だろうか? 去る4月17日に『ジャパニーズ・ルームズ EP』と題された新作EPをリリースし、同25日の郡山・CLUB#9での公演を皮切りに国内各地のライブハウスを巡演している、アメリカはジョージア州アトランタを本拠地とする男女混合の4人組だ。
実はこのバンド、昨年10月に『監視社会/ジュリアン EP』をリリースし、知名度が限りなくゼロに近い状態のまま日本初上陸を果たし、その際にもゲリラ的なライブハウス公演を実施していたりする。筆者自身、当時からその存在は気になっていたものの、残念ながら肝心のライブは観られずにいたのだが、今回はようやくその実像に触れることができた。
僕が目撃したのは5月2日、下北沢・Daisy Barでのライブ。結論から先に言うと、素晴らしく強烈なライブ・パフォーマンスだった。写真1枚を目にした時から、このバンドは最高か最悪のどちらかだろうと思っていたが、少なくとも僕にとってスターベンダーズは前者のほうだった。
グラマラスでパンキッシュ。かと思えばグランジやパワー・ポップの味わいもあるし、ダークな色調の楽曲も魅力的だ。ロックンロールが細分化される以前の70年代前半のような匂いもする。ことにフロントを務めるキミ・シェルター(Vo/G)には独特のカリスマ性があるし、クリス(G)、アーロン(B)、そしてエミリー(Dr)という他3人のメンバーたちも、それぞれ個性の際立ったキャラクターの持ち主だ。そんなバンド自体のたたずまいのユニークさには、どこか往年のチープ・トリックを思わせるところもある。結果、その夜のライブに魅了された僕は、同4日の横浜公演にも足を運んでしまったのだった。
ちなみにこのバンドにとっての重要なブレーンにあたるのが、プロデューサーのニコ・コンスタンティン。かつてレディー・ガガのミュージック・ディレクター兼ギタリストを務めてきた人物だ。彼には現アリス・イン・チェインズのフロントマンであるウィリアム・デュヴァールとカム・ウィズ・ザ・フォールというバンドで活動を共にしていた過去もあり、そうした縁もあってか、スターベンダーズはアリス・イン・チェインズの北米ツアーでオープニング・アクトに起用されたりもしてきた。
スターベンダーズ一行は、9日には奈良・NEVERLAND、10日には大阪・心斎橋DROPを巡演し、5月12日には東京・原宿ストロボカフェにて今回のツアー・ファイナル公演を行なうことになっている。同日は『ジャパニーズ・ルームズ EP』の完全再現をはじめ、豪華賞品の当たる抽選会なども開催されるとのことなので、是非この機会に、この注目すべき新世代バンドのリアルな姿に触れてみて欲しい。そしてもちろん、このバンドの日本に狙いを定めての攻撃はまだまだとどまることを知らないはず。スターベンダーズの名前と存在を、しっかりと憶えておきたいところだ。(増田勇一)