朝っぱらから編集会議だ。
この新譜がやべぇだの、ロックってなんだだのと、
いい歳こいて朝っぱらからやり合うわけだ。
しかしこれがなかなか難しい。
みんなそれぞれがいいと思うアーティストを推すわけだが、全部を記事にするわけにもいかない。そこで、こっちの方がいいだの、いやこっちの方がいいだのと、もめる。そして不利になると「じゃあ、これはよくないんですか?!」というセリフが必ず出てくる。そうすると編集部員全員が重い沈黙に入る。そう、けっして「よくない」わけではないからだ。
だが、今日の会議で副編・井上貴子(一児の母)がこんなふうに言ったのだ。
「いや、いいんだけど、ときめき沸点が低いのよ」
「ときめき沸点」!!!!!
俺の頭の中に稲妻が走った。
「いい」、「よくない」じゃない。どちらもいいことには変わりはなくて、ただ低い温度で沸騰するか、高い温度で沸騰するかの違い。これだ!
コピー・センスとしての80\'s臭はさて置くとしても、ベテラン副編・井上の底力を今日は思い知らされた。
「ときめき沸点」──ロックだ。
(写真:ミネラル不足気味なのでカップ味噌汁に焼き海苔を30枚ぶち込んでどろどろにして食べた)