小さなライヴハウスでのショーケース・ライヴはあったが、本格的なフルセットのライヴは初めて。
ショーケースのライヴを観ているので、その圧倒的な歌唱力や存在感は体験済みだが、こうしたアリーナで展開するパフォーマンスのスケール感は、また別次元の迫力。
歌の上手いシンガーはたくさんいるなかで、サム・スミスとアデルが破格の成功をおさめたのは、悲しみの力だと僕は思っている。
サム・スミスの歌は悲しみや喪失感が大きなテーマである。彼の歌声が喚起する一番強い感情も悲しみだと思う。それはポップ・ミュージックの中で最も強い感情でもある。
巨大なアリーナを包み込む、どこまでも切なく、しかもどこまでも力強い歌声を聞きながら、きっとこの声はこれから長くシーンの中心で響き続けるのだろうな、と思った。
サム・スミスを観る
2015.11.24 22:06