それは北斎が僕が知る限りに於いて、最もロックな画家だからだ。
北斎は一貫して大衆的な画家であった。浮世絵は無論のこと、彼の作品は常に大衆に向けての商品であった。彼が変わらず一生続けた仕事が、挿し絵を描くことだったというのは偶然ではない。
無論、北斎の作品は世界が認める素晴らしい芸術作品である。それこそ世界史レベルで位置付けられる芸術作品だ。しかし北斎は自分の作品を芸術として描いてなかった。
しかも大衆に支持されることを目指しながら、作品のテーマは常に「世界とは何か」という巨大なものだった。まさに優れたロック・アーティストの姿勢と同じだ。
そんな素晴らしい表現者が日本に居たということは、とても嬉しいことだ。
このロックな絵は北斎が「椿説弓張月」の挿し絵として描いたもの。凄い!
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