ピアノ・マンことビリー・ジョエルが2024年3月28日に行ったマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)での100回目となるレジデンシー公演がこの度映像ソフト化される。当日演奏された全25曲を収録した約150分の完全版だ。MSGはニューヨークのランドマーク的なアリーナで、バスケチーム:ニューヨーク・ニックスのホームとして知られている。このMSGで2014年から10年以上にわたり月に一度のレジデンシー公演を行っていたジョエルにとってもホームだと言って差し支えないだろう。そして全公演がソールドアウトだったというから驚きだ。ジョエルが1978年に行ったMSGでの初公演から数えて150回目を節目にして、2024年7月にレジデンシー公演は終了。ジョエルが打ち立てた記録は当分破られそうにない。
ジョエルといえば、本編でも歌われる代表曲“ニューヨークの想い”が象徴するように、地元のロングアイランドおよびニューヨークを描いてきたシンガーソングライターだ。思わず口ずさみたくなるメロディにのせ、市井に生きる人々の営みを歌ってきた。それゆえにニューヨーカーたちにとってジョエルは特別な存在だ。今回の映像ではMSGに集った観客たちのビビッドな反応が捉えられており、彼がいかにニューヨークで愛されているのかが如実に伝わってくる。その意味でジョエルの本質を捉えた映像作品だといえる。
ジョエルはバックバンドのメンバーよりも質素な全身黒という出で立ちで、“マイ・ライフ”“ウィーン”“ロックンロールが最高さ”といったキャリアを代表する楽曲を気取らずに披露していく。この日の特別ゲストはイングリッシュマン・イン・ニューヨークことスティング。彼を交えて披露されたのは“ビッグ・オン・マルベリー・ストリート”とポリスの“マジック”の2曲だ。
カメラワークもふるっていて、ステージのみならず、MSGという空間そのものをあらゆる角度から捉えており、観客の興奮も含め、100回目のレジデンシー公演をまるごとそのままパッケージにした映像となっている。(鳥居真道)
ビリー・ジョエルの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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