現在発売中のロッキング・オン4月号では、エヴリシング・イズ・レコーデッドのインタビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。
「今になって考えてみると70年代当時のジャマイカ人にとってのフォークミュージックがレゲエだったんだよね。それが当時最先端だった日本のローランドやヤマハの名機器を通してモダンなサウンドとなったところに斬新さがあったわけさ。でもフォークに関してはそうした融合がなかったなぁと思って、それでフォークと808を掛け合わせる実験からスタートしたんだよ」
●新作聴きました。素晴らしく刺激的なアルバムでしたが、制作の流れや経緯を教えていただけますか?
「始まりは4年くらい前で、当時聴いてた音楽や目、耳に入ってきた言葉を元にイメージを膨らませたら繊細でアコースティックなサウンドが向いてると思ってミュージシャンを呼んで対話を始めたんだけど、その時点ではまだ録音はしていなかった……“エヴリシング・イズ・レコーデッド(すべて録音されている)”とは、つまり名ばかりだったわけさ(笑)」
●これまでの作品とプロダクション的に大きく変わった点はありますか?
「今回はドラム、ヒップホップ、ギターに安易に頼る代わりに、メロディや楽器、生身の人間のパフォーマンスにフォーカスしようと思った。本来ならドラムに助けを求めてるところをその逃げ道を用意せず、メロディにフォーカスせざるを得ない状況に自分を追い込んだらワクワクするような刺激的な快感があってね」
●これまでリズム、言葉、メロディの順に作ってきたのが、リズムとメロディの順序が入れ替わったそうですが、そこで再発見したことがありましたか?
「一番大きな変化で言うなら、楽器に語らせた点だね。“ マイ・アンド・ミー”が良い例だけど、カマシ・ワシントンの父で名フルート奏者のリッキー・ワシントンが信じられないくらい美しいソロを披露してくれていて、これは今までの自分にはできなかったことだ。何しろ僕はDJ、ヒップホップ、ハウス畑の人間で、パンクにガンガンに共感しまくっている人間だから、その手の楽器ソロに懐疑的というか(笑)、少なくとも自分とは畑違いだと思って手をつけてこなかったんだ」
●「もしフォークミュージックが80年代にレゲエと同じように『デジタル化』していたら?」という発想が原点であったそうですが?
「今回、最初にできた曲が1曲目の“オクトーバー”で60年代のフォークシンガー、ジャクソン・C・フランクの曲を元にしてるんだけど、そこに80年代初期の日本の名器、ローランドTR-808(ドラムマシン)の音を掛け合わせたら面白いんじゃないかと閃いたところから、レゲエについての考察も巡らせるようになったんだ。15、16歳くらいのとき、夏にアイランド・レコードの倉庫でバイトしてたんだよね。当時アイランドと言えばレゲエ一色の時代で自分もレゲエに夢中だった。ただ、今になって考えてみると70年代当時のジャマイカ人にとってのフォークミュージックがレゲエだったんだよね。それが当時最先端だった日本のローランドやヤマハの名機器を通してモダンなサウンドとなったところに斬新さがあったわけさ。でもフォークに関してはそうした融合がなかったなぁと思って、それでフォークと808を掛け合わせる実験からスタートしたんだよ」
(以下、本誌記事へ続く)
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