「盛り上がるコーラスにメランコリアが染み込んでいて、奇妙な高揚があって、負けそうになってるのに、もしかしたら勝利が見えるかもしれないみたいな」
前作から3年ぶり、マニック・ストリート・プリーチャーズの14作目にあたる最新作『ジ・ウルトラ・ヴィヴィッド・ラメント』が9月10日に世界同時リリースされる。
昨年「制作中」であることが発表され、ディストピア小説の名作『1984年』を連想させる“オーウェリアン”(『1984年』の作者ジョージ・オーウェルの名前にひっかけた曲名)という新曲が完成していることが既に報じられていた今回の新作。近年のコロナ禍の欧米で、政府から課される「規制ずくめのロックダウン生活」を、ビッグ・ブラザー(独裁者)が庶民の日常を監視する『1984年』の近未来図に例える知識層は多い。
あらゆる社会活動が規制され、家族や知人が死の危険に晒され、企業の倒産で失業の危機に晒され……という状況下で1年半も軟禁生活を続けてきた欧米では、これまでの自分たちの生き方や価値観を改めて考え直さざるを得ないソウル・サーチングを誰もがしてきたわけだが、マニックスも例外ではなかったようだ。
初来日時の心境を鮮烈に辿る“スティル・スノーイング・イン・サッポロ”で幕開けし、これまでのマニックスのバンド史、音楽史をすべて検証し直すような今作の真意をジェームスに語ってもらった。(児島由紀子)
マニック・ストリート・プリーチャーズの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。