エレカシ×斉藤和義! 『MUSIC FAIR』でのスペシャルなコラボを観た
2017.03.28 12:30
デビュー30周年を迎えたエレファントカシマシと斉藤和義の共演があると聞き、今回のフジテレビ系『MUSIC FAIR』は非常に楽しみでした。一緒に演奏した曲はなんと“今宵の月のように”。宮本浩次と斉藤和義、まったく違うタイプのシンガーでありながら、宮本はもちろんのこと、斉藤の歌声が、この曲にとてもよくマッチしていて、改めて“今宵の月のように”という曲の普遍的な魅力を強く感じました。そして、このふたりのハモリを聴けたという意味でも、非常に貴重な回でした。
斉藤は、Bメロの高音部分について、「キーが高くて、出ないところは裏声でごまかしました」と言っていたけれど、その裏声のおかげで、これまでにない柔らかさが楽曲ににじみ出て、コラボ楽曲としてとてもいい選曲だったなあと思います。一方で、あの高音部分を今も地声で貫ける宮本の音域の広さはやはり凄いのだなと。今回はテレビ放送用に短縮したバージョンだったので、いつかぜひフル尺で聴きたいと思ったのは私だけではないはず。実はエレカシと斉藤和義は、昨年の「ROOTS66 -Naughty50-」という、1966年生まれのアーティストが集まったライブイベントの大阪公演で共演を果たしていて(そう、ふたりは同い年!)、そこでは斉藤の“やさしくなりたい”と、エレカシの“ガストロンジャー”をやっています。これまであまり比較して考えたことはなかったのだけれど、それぞれの楽曲が持つ世界観は、確かに、互いにすごく合いそうな気がするし、ぜひ、ほかの楽曲でもこの素晴らしいセッションをまた見せてほしいと思います。
ちなみにこの日の放送では、斉藤和義は新曲の“遺伝”を、エレカシは30周年を記念したベストアルバムにも収録されている“悲しみの果て”と“俺たちの明日”をメドレーで披露してくれました。トークの場面では、デビュー30周年について、宮本は「いろんな人が30周年おめでとうと言ってくれるんですけど、それはもう、恥ずかしがらずに受け止めたい」というようなことを語っていたのが印象的で、今回のセッションにしても、今、宮本は、すごく外に開いているような気がします。そんなことを感じさせてくれた、非常に良い放送でした。(杉浦美恵)