関取 花というシンガーソングライターの不思議

関取 花というシンガーソングライターの不思議

子どものような純粋な憧憬と、大人のビターな感情が入り交じる。この人の歌は不思議だ。
発売中の3rdミニアルバム『いざ行かん』は、弾き語り中心でつくられているから(というか、いくつかゲストミュージシャンの音が入っている以外はアコースティックギターと歌だけ)ますますその不思議な感覚が発揮されている。

幼い恋の逃避行を描いた“はつ恋”から、自分の死んだあとを想像して歌う“私の葬式“まで、今作での彼女の歌はまるで人生を見通すようなパースペクティブをもっている。その広がりが見えたからこそ、たぶん彼女はこのミニアルバムに『いざ行かん』というタイトルをつけることができたのだと思う。

弾き語りのシンガーソングライターというと素朴な印象だけど、関取花のライブにその言葉は似合わない。バンドでの演奏はもちろん、ひとりでステージに立つときでさえ、そこにはすごく豊かで色とりどりの感情が、矛盾も抱えながら咲いている。それがすごくリアルで、信じられる。

次号JAPANで、田中大さんによるインタヴューが載るのでぜひチェックを。
実際会った彼女は、ステージでのエモーショナルな印象とはちょっと違う、冷静で思慮深い人だった。そしてなぜか、バッグにTOTOの便器のキーホルダーをつけていた。形が好きなんだって言っったけど、どこでゲットしたのかがすげえ気になるんですけど。
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