BLUE ENCOUNTのフロントマンの田邊駿一という男は、ステージですぐに泣く。泣いて、熊本訛り丸出しで思いのままに喋り、その喋りがとっちらかって、最終的には「ありがとう」につながっていく。
田邊はすぐに「あんたらがいないとダメだ」と言う。「頼むから一緒にいてくれ」と言う。弱くてボロボロの心を隠そうとしない、というか、隠せない。
そんな弱虫で泣き虫の男がやっているバンドだからこそ、ブルエンはここまで強いバンドになれたのだと思う。自分が弱いことを知っているからこそ、同じように弱い誰かのことを、誰よりも本気で考えることができる。ほかに何も守れないからこそ、音がなっているかけがえのない時間だけは死んでも守ろうと思える。ブルエンはそういうバンドだ。
今日、田邊のヴォーカルははっきり言って本調子ではなかった。でも、そんな喉をかばうことなく、彼は感情が溢れかえるままに語り、歌い続けた。アンコールでは予定外に曲を増やしたりもした。それが唯一、彼が強くなれる方法だからだ。
そうやってどんどんボロボロになって、その姿を曝け出し、そのたびに彼らの周りにはたくさんの人が集ってくる。その人々のパワーを得て、ブルエンはさらに強くなる。
今日、ステージ上で田邊の口からアナウンスされた。
1stフルアルバムがいよいよ、7月22日にリリースされる。