ケンドリック・ラマーが、6月8日に、地元のコンプトン・カレッジの卒業式にサプライズで登場。ケンドリックから卒業生への贈る言葉が感動的だった。
映像はこちら。41分くらいから。
https://www.youtube.com/live/LFwDijAclmY
ケンドリックがこんなにリラックスして笑顔で公で語っているのは超稀だし、大学の卒業式に著名人が呼ばれてスピーチするのは毎年のことだけど、こんなに語る言葉が自然でリアルな人は滅多に見ない。さすがケンドリックとしか言いようがない。内容を全訳してみた。
登場して、卒業生を自分の携帯で撮影している姿もめちゃくちゃ嬉しそうだ。
卒業生に贈る言葉って基本、ここまでよく頑張りましたと称えることと、ここから先も大変だけど頑張れ、ってことだと思うんだけど、ケンドリックもそのふたつを話しているのに、心の底からそう思って出て来た言葉にしか聞こえない。普通、どんな著名人でも、紙に書き出したりして緊張して読んでるのに。「みんなにすごく感謝していると伝えたくてここに来た。
みんなを本当に誇りに思っているんだ。
コンプトン市を誇りに思ってるし
コンプトン・カレッジを誇りに思ってる。
何よりここから卒業していくみんなを誇りに思っている。
それがどれだけ大変なことだったか分かるから。
自分の家でも、このコミュニティでも、大変な苦労をしてきたはずだ。
何より自分自身との戦いがあったはずだ。
それを克服するのが最も大変で
でも1日1日、ひとつずつ、成長するために頑張ってきた。
肉体的にだけじゃなくて、精神的にも。
だから今、ここでみんなを見られることは
そんな世界を象徴しているだけじゃなくて
俺のことも象徴してくれている。
その他の市に行き、他の国に行った時に、
俺はこの市の出身なんだと誇りを持って言える。
俺はずっとコンプトンを信じているんだ。
コンプトンというのは、俺から言わせたら、いつだって未来だから。
ここから最も優れた個性や、クリエイター、知識人、才能が生まれて来た。
昔からそうだ。
それを声を大にして言って来た。
俺は世界中を旅しているけど
コンプトンみたいな市は世界中のどこにもない。
どこにもない。
どこにもない。
俺たちがここでやっていること全てを信じてるんだ。
ひとつひとつ、俺たちがやっていること全て。
だから話の流れを変える時が来た。
人によっては、今の世代は苦労が分かってないと言うから。
Z世代は。
そんなことをいつも言っているんだ。
俺たちは何をやっているのか分かってない、と引きずり下ろそうとする人たちが出てくる。
でも、奴らは間違っている。
なぜなら、みんなはそれがどれだけ大変か分かってるし、
それよりもっと大きなものを持っているから。
みんなには、やる気がある。それから独創的な思想家になる勇気がある。
独創的な思想家に。
それより貴重なものなんてない。
みんなは、ここから世界に羽ばたき、自分の考えを語れるし、表現できる。
信念と情熱を持ってそれが言える。遠慮せずに主張できる。
君は間違ってると言う人が出てきても、みんなは、ありがとうと言えばいい。
知恵と強くなれる勇気をくれてありがとうと。
みんなが持っている信念のメッセージは、そこで話をしている人だけじゃなくて、無意識のうちに、
自分より若い世代にも広まっていく。
それに感謝したい。
みんなが今日取得した学位は、その他のどんな学位とも同じくらい偉大だ。
どの大学に行ったかは関係ない。
コンプトン・カレッジの学位はその他のどんな学位とも同じくらい偉大なんだ。
ここから先は、ここで得たもの、学んだことを、いかに活かしていくのかだけだ。
簡単なことだ。
みんなは努力家だ。
ここから先、ここに来た時と同様の苦労、難題が待っている。
だけど、みんなのすぐそばにいつだって特別な人がいる。
神がいる。
必ず。
必ず。
必ず。
みんなの歩みの一歩一歩、全ての道のりに。
みんなが倒れたり
失敗しても
彼はすぐそばにいる。
みんなが成功した時も
彼はすぐそばにいる。
自分に成長する時間を与えて欲しい。
それを大事にして欲しい。
そこにも彼は一緒にいるから。
ここにいる一人一人が人生経験をしている。
神もみんなと一緒にそれを経験してくれてる。
みんなが何かを体験している時は、
彼もすぐそこにいる。
彼もすぐそこにいて
みんなに話しかけてる。
だから、それに答えればいい。
俺は毎日海岸に散歩に行く。
そこで神と会話をしている。
普通に会話している。
親友みたいに神と会話している。
神と意見が合わないこともある。
それを祖母の墓に伝えたりする。
彼と親友みたいに、
子供の頃から一緒に成長して来た友達みたいに話せばいい。
汚い言葉使いだっていい。
生まれた時から彼はみんなを知ってると思って
話せばいいんだ。
だってそれが真実だから。
真実だから。
みんなここから世界に羽ばたく。
自分を祝福し、楽しんで欲しい。
だけどこの精神は持ち続けて欲しい。
ここで終わりではないから。
ここで終わりじゃない。
みんな大好きだ。
みんなにはこの愛を広め続けて欲しい。
みんなどうもありがとう。
愛を込めて」
ケンドリックは、ご存知のように、ドレイクとのバトルを繰り広げて、一般的にも、メディアも、そして何よりチャートにおいても、全ての角度からドレイクに勝ったとみなされている。
いまだに”Not Like Us”がどこからか毎日爆音で流れてくるし。昨日は、NYフェスに行ったのだけど、会場となったクイーンズ地区の長が出て来て、スピーチの最後に「Not Like Us」と連呼していたくらいだ。
嬉しいのは、バトルが良い起爆剤となったのか、通常なら新作と新作の間に時間がかかりそうなケンドリックに動きがあること。6月19日のJuneteenth (ジューンティーンス)に、なんとLAでライブ『The Pop Out Ken & Friends』をすると発表した。しかもそれがAmazon プライムとtwitchで生中継される。
現時点では、日本のAmazonプライムでも生中継されるのか分からないのだけど、分かったらまたお知らせします。観れるとしたら、日本時間は6月20日午前8時から。”Not Like Us”をジューンティーンスに地元LAで合唱って、すごいことになりそう。
シャネルを着たかわいい近影もカメラマンが公開。
ちなみに、驚くのは、「今世紀最大」と言われたバトルで一応負けたとされているのに、ドレイクが特に「沈黙」するでもなく、すぐに通常運転に戻ったこと。ただ、ケンドリックへのディストラックはインスタから消えている。だからファンは、新作モードに突入か?と期待している。
どちらにしても2人の良い創作意欲につながれば良いと思う。
ケンドリック・ラマーとドレイクの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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