グリーン・デイが、来年の年明けそうそう1月19日に、4年ぶりの新作『Saviors』を発売すると発表した。
その中からファースト・シングル”The American Dream Is Killing Me”のMVも発表。
また、なんと来年夏には、スマッシング・パンプキンズ、ランシド、ザ・リンダ・リンダズとスタジアムツアーもするということ。アメリカ、UK、ヨーロッパツアーをすると発表されている。
グリーン・デイは、今年『ドゥーキー』30周年記念超豪華ボックスセットを発売したが、
10月19日に、ラスベガスの1000人キャパの会場でアルバムを全曲、曲順通りに演奏するサプライズギグを行った。
その会場で、「新作からのファースト・シングル」と紹介されて”The American Dream Is Killing Me”が初パフォーマンスされたばかりか、会場で、夏のスタジアムライブのチラシが配られたのだ。
バンドは、その週末”When We Were Young”というフェスでヘッドライナーを飾ったが、そこでもこの曲をパフォーマンス。
またSPIN誌によると、
フェスの2日目には、さらにもう1曲”Look Ma, No Brains”も初パフォーマンスされたということ。
https://www.youtube.com/watch?v=nZFc6RkTl2Y&t=23s
グリーン・デイは新作についてこうコメントしている。
「”Saviors”とは、グリーン・デイの脳味噌の中にみんなを招待する作品で、それはバンド精神の結晶でもあり、そしてこの30年以上続いた友情と文化とレガシーを理解するものだ。
生々しく、エモーショナルでもある。笑えるし、不安になるような作品でもある。つまり、痛みを笑い、幸せに咽び泣くようなレコードなんだ。
正直で、傷付きやすいってこと。
『Saviors』って何について?と訊かれたら、
パワーポップであり、パンクであり、ロック、インディの勝利、病気、戦争、不平等、インフルエンサー、ヨガリトリート、オルタナ右翼、デートアプリ、マスク、メンタルヘルス、地球温暖化、寡頭政治、ソーシャルメディア分裂、ウィードの合法化、合成オピオイド、脆さ….について。
アンディ・ウォーホルなら何をする?
ジョン・ウォーターズなら何をする?
クエンティン・タランティーノなら何をする?
そして、グリーン・デイなら何をする?
『Saviors』は、2024年1月19日発売。限定バイナルも予約受付中。
https://store.greenday.com/en/green-day/music/?pdshow=true
ファースト・シングル”The American Dream Is Killing Me”も発表。エピックなMVも見て。
さらに、思っているより早く、もっと発表される。例えば11月2日とかに(→シングルがもう1曲発表される予定)」
新作について現時点で分かっていること。
a. プロデューサーは、ロブ・カヴァロ。30周年を迎えた『ドゥーキー』のプロデューサーであり、『インソムニアック』、『アメリカン・イディオット』、『ブレット・イン・ア・バイブル』もプロデュース。
b. レコーディングは、ロンドン、ロサンゼルスにて。
c. 1992年『カープランク』以来初めてレコードの著作権はバンドが所有。
d. ジャケットの写真は、すごく良い写真だけど、1978年、ベルファストで起きた暴動をChris Steele-Perkinsが撮影したもの。ただ、少年の顔を変えている。個人的には明らかにオリジナルの写真の方が良い写真だと思うけど。よりグリーン・デイのジャケットっぽくしたということか。
https://www.belfasttelegraph.co.uk/news/northern-ireland/green-day-us-bands-new-album-artwork-features-photoshopped-image-of-troubles-child-in-belfast/a1265499691.html
e. アルバムのタイトルは当初『1972』というメンバー3人が生まれた年、という噂があったよう。結果的に違ったが、「バンドが30年以上続いた〜」と書かれているので、これまでのキャリア全体を見つめる内容でもあるということと関係しているのかもだ。
https://www.stereogum.com/2240164/green-day-the-american-dream-is-killing-me/music/
f, シングルの”The American Dream Is Killing Me”はレコーディングの最後にできた曲で、プレスリリースによるとビリー・ジョー・アームストロングが、「できた途端に、『OK、これがファーストシングルだ』って言ったんだ。これは、いかに、伝統的なアメリカンドリームが多くの人達にとって全く機能しなくなっているのか、のみならず、むしろ多くの人たちがそのせいで痛い目にあっているのかについて」。MVでは、『ウォーキング・デッド』か、『The Last of Us』的なゾンビ、アポカリプスの世界が広がっている。メイクの様子はこちら。
歌詞では、住宅危機、失業、ソーシャルメディアなどについて触れられているけど、『これが俺たちの家なのか/俺たちの家じゃないだろう?』という歌詞に、グリーン・デイが、2022年、最高裁が中絶の権利に関する条例を覆した際に、ロンドンでライブをしていて、「イギリス市民になる」と言っていたことを思い出す。
アメリカンドリームの絶望を、パワフルなアンセムで批判。シングルのタイトルも、それでいて、「救世主」と名付けたアルバムタイトルも、暴動の中の少年の写真も、強烈で、筋が通っていて、『アメリカン・イディオット』以来の物語性やメッセージを感じるとともに、これから発表される曲がどのようなものになるのか、楽しみだ。2024年が、グリーン・デイ新作とともに明ける。
ロッキング・オン最新号(2023年11月号)のご購入は、お近くの書店または以下のリンク先より。
Instagramはじめました!フォロー&いいね、お待ちしております。