明日N.W.A.がロック殿堂入り。G.シモンズの「ラッパーは資格なし」とのコメントにアイス・キューブが反論

明日N.W.A.がロック殿堂入り。G.シモンズの「ラッパーは資格なし」とのコメントにアイス・キューブが反論

金曜日にNYで第31回ロック殿堂入り式典がある(観て来ます!)。

今年殿堂入りするのは、チープ・トリック、シカゴ、ディープ・パープル、スティーヴ・ミラーと、この並びでは思いきり異質だけど、個人的に一番楽しみにしているN.W.A.だ。

N.W.A.は、ヒップホップ・アクトとしてはわずか5組目。しかも、今回初めてNY出身ではなく、LAのコンプトン出身として殿堂入り。そして彼らの殿堂入りの紹介スピーチをするのは、同じくコンプトン出身のスーパー・スター、ケンドリック・ラマーだ。きゃー!

実は数年前にキッスのジーン・シモンズが、「ラッパーはロック殿堂に入る資格はない」と言ったことがあり、さらに最近「ラップ滅亡の日が楽しみで仕方ない」と発言した。殿堂入りするアイス・キューブがそれについて聞かれて、こう答えている。

まずamNewYork紙において、「なぜN.W.A.がロックンロールなのか理解できない人は、ロックンロールが何なのか分かってないも同じだ」と。さすが! 端的に表現。
http://www.amny.com/

さらにNYタイムズ誌のインタヴューでは、『ストレイト・アウタ・コンプトン』が成功したおかげでようやく殿堂入りできたのでは?という世論などについても答えている。「白人すぎるオスカー」についてどう思うか聞かれた時もそうだったけど、いつでもシャープで冷静沈着な受け答えなのが素晴らしい。
http://www.nytimes.com/2016/04/08/arts/music/nwa-ice-cube-rock-and-roll-hall-of-fame.html?smid=tw-share&_r=0

以下、受け答えを抜粋。

●ジーン・シモンズが、ラッパーはロック殿堂入りの資格がない。歌も歌わなければ、ギターも弾かないから、と言った件について。
「俺はジーン・シモンズを尊敬しているよ。だけど、彼はこれに関しては間違っている。なぜならロックンロールというのは、楽器や歌を歌うということではないから。ロックンロールというのはスピリットだ。N.W.A.は、彼がロック殿堂入りの資格があると思っている多くのロック・バンドよりはるかにロックンロールだと思う。なぜなら俺達のスピリットは、パンク・ロックと同じであり、そしてブルースと同じだからだ」

●殿堂入りでパフォーマンスをしないことになった理由について。
「俺達はパフォーマンスしないよ。なぜなら、俺達のパフォーマンスをオーガナイザーがしっかりとサポートしてくれなかったから。実はスゴいことをやりたいと思っていたんだ。だけど、それは無理だと言われたからね。それでも、俺達は今回殿堂入りできることになって本当に光栄に思うし、感謝しているんだ」

●『ストレイト・アウタ・コンプトン」の成功が今回の殿堂入りに影響したか?
「映画のおかげで殿堂入りすることになったと思うよ(N.W.A.は過去に3回候補になっていた)。映画の成功が、俺達のグループがポップカルチャーにおいてロックンロールと何ら変わらないインパクトを持っていることを証明したと思うからね。俺にとって、ロックンロールっていうのは高速のブルースなんだ」

●今回殿堂入りすることが、オスカーでは無視されたことを和らげるか?
「それはないね。リンゴとオレンジみたいなもんでさ。所詮音楽業界は音楽業界で、映画業界は映画業界だよ」

●イージー・Eに、80年代、N.W.A.がロック殿堂入りすると言ったらなんと答えたと思いますか?
「『はい、はい』って言ったと思うよ」

殿堂入りは、アメリカでは4月30日にケーブル局HBOで放送される。プレゼンターには、ケンドリック・ラマー以外に、ザ・ブラック・キーズ、メタリカのラーズ・ウルリッヒ、マッチ・ボックス・トゥエンティのロブ・ローマスが来ることになっている。

それにしても、N.W.A.のボツになったらパフォーマンス企画って何だったんだろう。ボツにするなんて最悪だよ。
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