突然だが、フジ・ロックでのレッド・ホット・チリ・ペッパーズのステージは、
凄かった。
何が凄かったかというと、
レッド・ホット・チリ・ペッパーズとして凄かった、というわけではなく、
それがもはや「ロックの文法の脱構築」として
解体と創造がめまぐるしく官能的に行われていた、という意味において、だ。
オルタナティヴのパイオニアとして、
90年代のロック言語を「新しく喋りはじめた」レッチリが、
そこではオールタイムのロック言語を自在に行き来しながら、
ロックの名の下に立ち上る特別なエクスタシーを
腰を抜かすほど物の見事に現出していたから、だ。
簡単にいってしまうと、
ジョン・フルシアンテのギター・プレイに、
ロックのすべてが宿っていたということだ。よく、ジョン・フルシアンテは、
感性型の天才と呼ばれるが、
まったくそんなことはなかった。
このひとは、たとえばストーンズにおけるキース・リチャーズと
同じ意味において、
すさまじくロジカルにロックをとらえ、表現するミュージシャンなのである。その彼の、そんな本質は、
このソロ最新作「THE EMPYREAN」を聴くとよくわかる。
そして、こういう「健全な実験」を経たレッチリの次作は、
「飽和としてのレッチリ」をさらした2枚組作の次に何が到来するのかを
期待させる。ちなみに、ここにも働き者のJOHNNY MARRが参加してます。