過去の光を見る「プラネタリウム」と、今そのものを記録する「ドキュメンタリー」を掛け合わせた「DOCUMENTARIUM」。NOMELON NOLEMONの結成日であり、ツミキの誕生日でもある8月11日、KT Zepp Yokohamaで開催された「DOCUMENTARIUM 2026」は、まさにノーメロが5年間で積み上げてきた光を、現在の音として僕らに打ち返すようなライブだった。
前回の「DOCUMENTARIUM 2025」で最後に披露された“cocoon”がキーボードも加わってより立体的になったバンドアンサンブルで鳴り響いたのを皮切りに、ラストを飾ったノーメロの始まりの歌“INAZMA”まで、息つく暇もないバンドヒストリーが繰り広げられていく。客席のスマホの光が黄色く揺らめいた“イエロウ”も、歌とドラムだけでノーメロの骨格を剥き出しにした“ルール”も、この5年間で彼らが見せてきた音楽の広さと深さをまざまざと見せつけるものだったけれど、中でも忘れがたいのが、急遽披露された“線香金魚”のワンコーラス。ツミキのギターだけという極めてシンプルな演奏だからこそ、みきまりあの歌声の美しさと、一つひとつの言葉に宿る情緒が鮮やかに浮かび上がった。
そして全曲に迸っていたのが、「J-POPの真ん中を貫きたい」というツミキの美学。ノーメロへの愛だけでなく、音楽そのものへの愛まで呼び覚ます力が、この日の演奏にはあった。僕自身音楽にのめり込んだ2010年頃の、ひとつの曲に出会うだけで世界が広がっていった感覚を思い出した。そのことを終演後にツミキに伝えると、「その年代はいちばん突きたいところなんですよね」と微笑んでいた。
そんな音楽へのピュアな思いが凝縮されていたように感じたのが、ツミキとみきまりあがともに言葉を紡いだ“I THINK”だ。《未来はうつくしいよ》という言葉を会場中で歌った瞬間が、強く胸に残っている。過去の光を今ここで鳴らし直し、新しい光に変えて未来へ放っていく。本当に未来は美しいのかもしれない──そう思わせてくれるだけの力が、この日の音楽にはあった。
次なる舞台は10月24日、Zepp Shinjukuで開催される初の主催ツーマンライブ「CANVS」。対バンは、なとり! 2組の音楽への愛と闘志が、真っ白な「CANVS」をどんな色に染め上げるのか、期待しかない。(畑雄介)