どんな逆境が訪れても、必ずそこから逃げずに受け止めてポジティブに変換してみせるのがsumikaというバンドの矜持なのだろう。
この日KT Zepp Yokomamaで行われた”片岡健太とバンドマン”ツアー(仮)と題されたライブは、もともとsumikaのファンクラブツアーとして企画されていた横浜公演だった。11月下旬に小川貴之の一定期間の休養が発表されたことに伴って、そのツアーを中止にはせず代替で開催されることになったのがこの形態だ。
センターの片岡をフロントマンとして、後方に放射状に配置された6人のバンドマン。そこに並列でドラムの荒井智之も居るというこのスタイルが新鮮だ。
音楽的にはシーケンスを極力廃したバンドマンアレンジでsumikaの代表曲がストイックな表情を見せる。こんな機会だからこそ通常やれないことにトライしてもうひとつのsumikaの顔を提示する。この日オープニングで披露された片岡健太弾き語りという更なる別形態まで含め、我々は[camp session]とも[roof session]とも違うまた新たなバリエーションを体験出来たことになる。それはとても幸福で感動的な音楽体験だった。
sumikaは年末のCOUNTDOWN JAPAN 24/25でEARTH STAGEのカウントダウンアクトを担う。現時点でそれがどんな編成になるのかは見通せていない。ただどうであってもその時点の可能なスタイルでまたベストのパフォーマンスを見せてくれることだろう。
頑張れ!sumika! 大晦日、幕張で待ってるよ。
(海津亮)
"片岡健太とバンドマン"ツアー(仮)、その渾身のライブを観た!
2024.12.06 12:43