時空を超えた無限の砂漠の中に忽然と現れた昭和レトロな喫茶店、その名も「愛のペガサス(!!・看板の日本語ロゴもあのまま)」を舞台に繰り広げられる2時間のショーは、ACAねの脳内世界が凄まじいスピードで展開していく圧倒的なファンタジーだった。この架空の空間に身を置くといつまでも抜け出せなくなる。今もその幻影に追いかけられている。なんという没入感だろう。
毎回そのコンセプトには唸らされるが、特に今回の完成度は高かった。
初期からサポートを続けているOpen Reel Ensembleの潜在的なポテンシャルをオーバーグラウンドへ引き上げたこのプロジェクトの功績もとても大きいと思う。
ずっと真夜中でいいのに。これ以上適したアーティスト名はない。5年前に名付けた段階からこれらの作品の構想があったのだろうか。少なくとも世界観のアウトラインは出来ていたという事なのだろう。この才能に出会えてよかった。
(海津亮)
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ずっと真夜中でいいのに。あらためて思うその革命的な才能。「原始五年巡回公演 喫茶・愛のペガサス」を観て
2023.12.23 09:43