今日リリースの新作、紹介します、とか昨日言っておきながら、
松尾スズキ「東京フレンドパーク」出演ショックで、書くの忘れてました。
違う。「東京フレンドパーク」じゃない。「スタジオパークからこんにちは」だ。
「パーク」しか合ってないし。
では気をとり直して新作紹介。
ザ・ビートモーターズ
『素晴らしいね』
SLRL-00002 SMALLER RECORDSINGS
7曲入りミニアルバム。2作目。
まず「なんちゅうタイトルだ」というのはあるんだけど、
これ、最後に入っている曲のタイトルを、そのまま付けたようです。
で、聴くと、まあ確かに、嘘は言っていない。そういうアルバムです。
初めてロック・バンドのライブっていうものを観に行った時、
音がでかくてびっくりしませんでした?
私はびっくりしました。なんでこんなにでかい必要があるんだろう?
と、不思議に思いました。
でも、その数年後に、わかった。
小さい音だときこえないからだ。
遠くにいる奴にも届けたいからだ。
アコースティック・ギターの生音が届く範囲だけじゃ満足できなくて、
だから、ギターにピックアップというマイクを付けて、
電気ででっかい音に増幅して、鳴らすようになったのだ。
それから。歌詞がわからないような、もごもごした歌い方の
ボーカルを聴くと、反射的に「ああ、伝える気ないんだな」と
思ってしまうフシが、僕にはある。
あと、ごたごた言葉が多かったりする歌を聴くと、
「言いたいことだけはっきり言えよ!」という気分になる。
これ、歌だけじゃなくて日常会話でもそうだ。
「言い訳とか補足とかいいからさあ、核だけしゃべってよ、
時間がもったいないから。どんどんわかりにくくなってるし」
と、思ってしまいます。
という、私のようながさつな人間は、ロックンロールという音楽の
デリケートなとこも嫌いじゃないけど、粗雑でおおざっぱなで
ダイレクトなところが、特に大好きだったりする。
そういう奴からすると、このバンド、最高なわけです。
ギター、ベース、ドラム、もう一点の曇りもなく、
そして一切の言い訳もなく、とにかく、豪快でラウド。
そして秋葉の歌、メロディも歌詞もその発し方も、ひたすらに明快。
ロックってこういうもんなんじゃない? とか言いたくなる。
とても昔風な、オールド・スタイルなロックンロールだけど、
これ、新しくなる必要がないからなんだと思う。
というか、新しくなろうとすることによって、表現が繊細になったり
微妙になったりする方向へ進んでしまうことを、避けているんだと思う。
この明快さとダイレクトさを、徹底的に貫きたいんだと思う。
とても正しいと思う。そして、確かに素晴らしいと思う。