今、日本の様々なポップミュージックのアーティストがさかんにEDMを取り入れていて、それは音楽シーン全体の大きな活気にもなっている。
でも、僕はその盛り上がりの本質はEDMの流行ではないと思う。
血管のなかに欲望をビートで直接注入してくるような、無意識の向こう側への扉を思いっきり蹴り開けて四の五の言わずに快感のシャワーをサウンドで浴びせかけるような、そんな薬物でなくとも薬物のような音楽を今、僕らは欲しい、ということだ。
そういう音楽であればEDMであろうが、そうでなかろうが関係ない。
明日、発売されるONE OK ROCKのニューアルバム『35xxxv』は、EDMを取り入れた音楽よりも遥かにヤバいレベルでそれを噴き出している。
4人が自分の肉体と精神と欲望によってビートを鍛えあげ、サウンドを磨きあげた、物語性とか詩情とか手練手管とか何もいらない、抽象的だけどガツンと体内に飛び込んでくるロック。
「もう、この音楽で俺は生きる」という思いが聴いている間ずっと溢れ続ける。(古河)