ニュー・オーダーのバーナード・サムナーはピーター・フックがジョイ・ディヴィジョンの楽曲をライヴで展開したことで、地獄の窯の蓋が開かれたと語っている。
ここ数年、ピーターとピーターのバンド、ザ・ライトはニュー・オーダーの『アンノウン・プレジャーズ』や『クローサー』の全曲ライヴを行ってきたことで知られているが、これをきっかけにバーナードはニュー・オーダーとしての活動を思い立つことになったと『ビルボード』誌に語っている。
ニュー・オーダーとしての活動を再開したのはピーターのジョイ・ディヴィジョン・ライヴの影響なのかと訊かれて、バーナードは次のように答えている。
「うーん、それは賞金2千万ドルがかかった質問くらいに答えるのが難しいよ。わかんないところだね。でも、ピーターがあれをやってて、なんでぼくたちがためらっていなきゃならないのかとは思ったよ。だから、ピーターが地獄の釜の蓋をあけたんだよ」
さらにピーターが来年1月からニュー・オーダーのファーストとセカンドの全曲ライヴを行うと発表していることについてはどう思うかと訊かれてバーナードは次のように語っている。
「正直言って、本当に最悪だと思うよ。『アンノウン・プレジャーズ』をやってるっていうのもぼくたちはプレスを読んで知ったんだからね。こっちには一言も連絡もなかったわけで、それってかなり最低だよね。金儲けでそこまでやるっていうさ」
「本当にお金だけのためにやってるような感じなんだよね」とバーナードは続けている。「でも、ぼくにとって、ジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダーはどれも金儲けとは無縁なものだったはずなんだ。だから、あれはぼくたち全員に対してすごく敬意のない行為だったと思うな。でも、ピーターがいったんあれをやったから『じゃあ、ぼくたちはニュー・オーダーをなにもやらずにどうするんだよ?』ってぼくたちも思ったのもまた確かだよ。だから、これはダジャレになっちゃうけどね、ピーターとザ・ライトの活動はぼくたちにライト(光)を照らしてくれたんだよ」
また、ニュー・オーダーとしての今後の活動についてバーナードは次のように語っている。
「とりあえずアルバムをもう1枚作りたいかな。とりあえず創作意欲が疼いているからどうにかしないと。ライヴをやるのはすごい楽しいけど、クリエイティヴな活動ではないからね。特にしばらく作ってないから、エレクトロニックなアルバムを作りたいと思うよ」
なお、ピーターはニュー・オーダーの81年のファースト『ムーヴメント』とセカンド『権力の美学』の全曲ライヴを行うと発表していて、1月17日にロンドンのココと翌日にはマンチェスター大聖堂でライヴを行うと明らかにしている。
また、ピーターは先頃ジョイ・ディヴィジョンでの活動を振り返る回想記『Unknown Pleasures – Inside Joy Division』を刊行しているが、ニュー・オーダー時代の暴露本も予定していて、「よからぬ話」をふんだんに収録するつもりだと『NME』に語っている。
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