3月21日に新作『レッキング・ボール』をリリースするブルース・スプリングスティーンは自身が率いるEストリート・バンドのオリジナル・メンバーで昨年急死したサックスのクラレンス・クレモンズについて、アルバムのクラレンスのパートを初めて聴き直した時には泣いてしまったと語っている。
クラレンスは昨年卒中で倒れ、6月に他界したため、実は今度の新作の作業にはまったく加わっていない。しかし、アルバムにはブルースがこれまでライヴ・ヴァージョンしか収録してこなかった“ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームズ”のスタジオ・ヴァージョンが今回新たに収録されていて、プロデューサーのロン・アニエロがこれにライヴ音源のクラレンスのサックスをほどこしたという。
今回収録した新しいヴァージョンの“ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームズ”を初めて聴いた時のことをブルースはローリング・ストーン誌にこう語っている。「ソロ・セクションにかかると、部屋がクラレンスの音でいっぱいになってね。俺はそこで泣いたよ」。
なお、今後のツアーについてはクラレンスの甥のジェイク・クレモンズ、そしてブルースとの共演が近年多いエド・マニオンがそれぞれにEストリート・バンドのサックスを務めることになる。
また、ブルースは3月15日にテキサス州オースティンで開催されているサウス・バイ・サウスウェストで小規模なライヴを予定しているが会場などについては明らかにされていない。バンドはその後3月18日のアトランタ公演からアメリカと世界ツアーに乗り出す予定になっている。
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