ベック、マイク・パットン、グリズリー・ベアのエド・ドロストらがセルジュ・ゲンズブールのトリビュート・ライブを決行

ベック、マイク・パットン、グリズリー・ベアのエド・ドロストらがセルジュ・ゲンズブールのトリビュート・ライブを決行 - ベック 2002年作『シー・チェンジ』ベック 2002年作『シー・チェンジ』

8月27日と28日にロスアンジェルスのハリウッド・ボウルではセルジュ・ゲンズブールの没後20周年を記念するコンサートが行われたが、これにショーン・レノン、シャルロット・ケンプ=ムール、ベック、グリズリー・ベアのエド・ドロスト、ビーチ・ハウスのヴィクトリア・ルグランド、マイク・パットン、ゾーラ・ジーザス、そしてセルジュの息子ルルらが参加したという。

特に今回のイベントは1971年のセルジュの傑作『メロディ・ネルソンの物語』のリリース40周年を記念するという意味合いも兼ねていて、ベックが率いたバンドなどはこの作品のアレンジャーを務めたジャン・クロード・ヴァニエを招聘してオーケストラの指揮を依頼したという力の入れようだった。

そもそもこの作品、ポーティスヘッドからデ・ラ・ソウルまでさまざまなアーティストのサンプリングのネタになってきたことで知られているだけでなく、パルプのジャーヴィス・コッカーやマーク・アーモンドなどといったユニークなアーティストのインスピレーションや影響となってきたことでも重要な作品。特にベックに関していえば、『シー・チェンジ』の“ペイパー・タイガー”の特異なサウンドが実はこのアルバムの最終曲“貨物飛行機の最期”のサウンドを精巧に再現したものであることでも知られている。

ベックはサイケデリックなサウンドからアフリカやキューバ系の音を取り込んだ作品、さらにはセルジュが手がけたポップスなど、セルジュの作品の多面性を忠実に伝えるパフォーマンスを披露したとか。その一方で、マイク・パットンやエド・ドロストのパフォーマンスもセルジュのパーソナリティを彷彿とさせ好評だったという。

ビートの強いジャズからポップス、はてはレゲエやニュー・ウェーヴまでとさまざまなスタイルを変遷していったセルジュの音楽性についてベックはスピン誌に「セルジュはこうしたさまざまな時代をカメレオンのように豹変しながら泳ぎ渡りつつ、その間、自分というものは揺るぎないまま保っていたんだよね」と語っている。

「それは好きなようになんでも探ってみせるという覚悟や自由を自分に誓った人に典型的なものなんだよ。セルジュの音楽を発見したことで、そういうやり方も可能なんだとぼくには光明が見えたんだよね」
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