「『ホエア・ユー・ビーン』あたりで確信したんだ。やたらギターを重ねていた『バグ』とかよりもリズム・ギター2本だけの方が良く聴こえるって。それ以来あまりリズム・ギターを重ねないようになったと思う」
ダイナソーJr.のニュー・アルバム『スウィープ・イット・イントゥ・スペース』は、共同プロデューサーとしてカート・ヴァイルがクレジットされている。もっとも、カートとのレコーディングはパンデミックによって中断されてしまい、それ以降の作業はJ・マスキス単独で進めたとのことで、さほど劇的な変化が起きた感じはしない。
ただ、それでも本作は、これまで以上に爽やかというか、全編に不思議な軽快感があって(“And Me”などはキュアーっぽかったりする)そこがとてもいい。
カートから何か大きな刺激を受けたとかいう以上に、再結成を経てバンドが最良の季節を迎え、そこからJ自身が新鮮なモードを発動している印象だ。いつもより少しだけ饒舌な以下のインタビューからも、そんな様子が伝わってくると思う。(鈴木喜之)
ダイナソーJr.のインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』6月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。