ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアによる「ギターが際立つ10曲」を「FAR OUT」が選出しているので、そのうち5曲を紹介する。
“Fearless”
“Fearless”は、1971年にリリースされたアルバム『Meddle』の収録曲。このアルバムは、バンドでギルモアが頭角を見せ始めた頃の作品だが、彼は没頭型の天才であるロジャー・ウォーターズの右腕として役割を果たすことに満足していたようだ。かなりソフトな曲調の“Fearless”は印象が薄くなる可能性がありそうだが、それでもアルバムにおけるベスト曲の一つであり、ピンク・フロイドがプログレッシブ・ロック界を支配する片鱗を窺わせていると評されている。
“Shine On You Crazy Diamond”
この曲は、精神を病んでバンドを去り、初期の中心メンバーだったシド・バレットにギルモアが捧げた曲。威嚇するような暗いトーンで始まる曲は、次第に宇宙を感じさせるレベルまで引き上げられ、ギターを通してバレットの悲劇的な物語が伝わると評されている。
“Learning to Fly”
“Learning to Fly”は、ロジャー・ウォーターズの脱退後に、積極的に作詞作曲に取り組み始めたギルモアが手掛けた曲。ウォーターズの不在は、バンドの緊張感とメンバー同士が散らす火花を消してしまったものの、それによってギルモアが非難されることなく実験的な音を作れるようになったことも確かだ。“Learning to Fly”はそんなトラックの一つに数えられる。「FAR OUT」によれば、同曲は夢のようなクオリティの曲で、ギルモアがピンク・フロイドを新しい世界へ導いたと紹介されている。
“Time”
1973年にリリースされたアルバム『狂気』(原題:The Dark Side of the Moon)の収録曲“Time”では、ギルモアの最も有名なソロを耳にすることができる。ギルモアは陰鬱だが美しくもある曲を完全にコントロールし、ギタリストとしての才能を惜しみなく披露している。
“Breathe”
“Time”と同じく『狂気』に収録された“Breathe”は、ギルモアのスティール・ギターがリスナーを新しい次元へ導いてくれる。軽快なリフがキーボードのサウンドに美しく重なり、ボーカルも務めたギルモアが、新鮮な空気のように歌詞を吐き出していると評されている。
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