『クワイエット・ライフ』は、ライブよりも先にレコーディングを想像しながら作り上げたもので、事実上の初スタジオ・アルバムと言えると思う。ソングライティングもアグレッシブさは減り、よりポエティックになり、バンドにとって重要な方向転換だったね
今でもジャパン初来日の時の武道館に鳴り響いた嬌声は忘れられない。まさにアイドルのコンサートであり、本国イギリスを完全に凌駕しての人気っぷりと、その女性人気は、いやでも4年前のクイーン初来日を思い出させるものだった。
そんなジャパンのサード・アルバム『クワイエット・ライフ』のライブやレア・トラックを含んだデラックス・エディションがリリースされた。また昨年は坂本龍一、高橋幸宏、矢野顕子らがゲスト出演したファイナル・ツアーを収めた『武道館 1982年12月8日』がリリースされるなど、何やらジャパン再評価の波が起きている。
アート感覚豊かなロックのテイストにファンクやエレクトロ・サウンドをミクスチャーしたサウンドは、グラム・ロックとニュー・ロマンティックをつなぐミッシングリンクとも言えるし、多様な魅力がYMO周辺との密接なコラボへと進んだのも納得がいく。そこで、ドラムスで、兄デヴィッド・シルヴィアンと共にグループの中核であったスティーヴ・ジャンセンに話を聞いた。当時の人気爆発に戸惑う様子など、今聞いても面白い。(大鷹俊一)
ジャパンの特集記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。