ピーター・フック、イアン・カーティスの死を語る。「当時はイアンが何に苦しんでるのか気づかなかった」

ピーター・フック、イアン・カーティスの死を語る。「当時はイアンが何に苦しんでるのか気づかなかった」

ニュー・オーダージョイ・ディヴィジョンピーター・フックが、ジョイ・ディヴィジョン時代のバンド・メイトであり1980年に亡くなったイアン・カーティスと、彼が抱えていた病を取り巻く問題について語っている。

「NME」の取材に応じたフックによれば、カーティスは19歳で結婚し子供を授かったと同時にフルタイムで働きながら住宅ローンを抱えることとなり、その後に持病となるてんかんの発作を起したという。

フックはそうした環境の中でカーティスが重圧に「押しつぶされてしまった」のは無理もないとしつつ、当時のてんかんの劣悪な治療体制について以下のように述べている。

当時のてんかんの治療はほとんど野蛮と言っていいものだった。イアンが服用していた薬を2014年に現代の専門家が分析したら、彼が死んだのは無理もないと言ってたよ。

そしてフックは、現在では人々が「メンタル・ヘルスを前向きにとらえているから、彼が経験したようなことを誰かが経験する必要はなくなった」と続けつつ、イアンが抱えていたメンタル・ヘルスの問題に関して次のように振り返っている。

当時はイアンが何に苦しんでるのか気づかなかった。今こんなジジイになってみて一番ショックなのは、彼の友人として、俺たちがいかに無防備で無知だったかということなんだよね。イアンに起こったことを回避するためには教育とコミューニケーションが最も大切なんだ。



フックは自身のアルコール依存と薬物中毒を通して「他人をより理解できるようになった」と語り、以下のようなメッセージを寄せている。

イアンが経験したようなことは、自分自身で経験してみないとなかなか理解できない人間もいるんだよ。でも躊躇したり恥ずかしがったりせず、できるだけ早く相談することを勧めるし、それがあらゆる人に伝えたい一番大事なメッセージなんだ。助けを求めてくれ。

ピーター・フックは来夏、現地時間7月5日に「Peter Hook & Manchester Camerata - Joy Division Orchestrated」と題された、ジョイ・ディヴィジョンの楽曲をオーケストラと共に演奏するコンサートを開催する。
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