4月7日に行われた「ロックの殿堂」授賞式で、レニー・クラヴィッツがプリンスを追悼するパフォーマンスを行った。
パフォーマンスは授賞式の最後を締めくくったパール・ジャムの前に行われた。最初に披露したのはプリンスがメインストリームに君臨するきっかけとなった大ヒット曲"When Doves Cry(ビートに抱かれて)"だった。
原曲よりもゆったりとしたリズムで重く刻むファンクとしてアレンジされており、リズムの核となったベースをGail Ann Dorsey、ドラムをFranklin Vanderbilt、キーボードをGeorge Laks、そしてギターには長年の盟友クレイグ・ロスというバンドを率いて演奏された。
レニー自身はギターをクレイグに任せ、自身はタンバリンと歌に集中することになった。更にthe Love Fellowship Choirがコーラス隊として加わり、レニーとコーラス隊とのゴスペルでの掛け合いも披露された。
レニー・クラヴィッツ自身のインスタグラムに投稿された当日の写真はこちら。
続いてレニーはフライングVのギターを抱え、名曲"The Cross"を演奏する。冒頭はピアノでリフを刻むといういかにもレニー好みのアレンジで、ふたつめのヴァースからバンド全員でリフをたたみかけていく圧倒的な内容となり、いずれの曲もプリンスのスピリチュアルな側面を引き出すカバーとなっていた。
同じくレニーのインスタグラムより。
レニーは昨年プリンスが他界した際、ローリングストーン誌の取材に応えて、プリンスの1980年のサード・アルバム『ダーティ・マインド』との出会いが自身にとって大きな転機となったことを振り返っていた。
「アルバムのジャケットを見ただけで想像力が解放された気がしたよ。アフリカ系アメリカ人のミュージシャンで、俺と同じような肌の色をしたやつが、俺の弾きたいようなことをそっくりそのままギターを弾いてて……プリンスには本当に深い衝撃を受けたんだ」とレニーは語り、「黒人ミュージシャンはR&Bやダンスを演奏するもので、ロックなどやらないものだ」という当時の固定観念を打ち破ったプリンスの画期性について偲んでいた。