フライング・ロータス、新作をめぐるファレル、スヌープらのエピソードを明かす

フライング・ロータス、新作をめぐるファレル、スヌープらのエピソードを明かす

新作『ユー・アー・デッド!』を10月7日にリリースしたフライング・ロータスだが、リリースに合せてツイッターで新作をめぐるエピソードを紹介している。それをかいつまんだ音楽サイトのピッチフォークによると:

●もともとアルバムのタイトルは『Jodorowsky』を予定していて、これはチリの映画監督アレハンドロ・ホドロフスキーへのオマージュで、ホドロフスキー作品が今度の新作と同様、死を扱うことが多かったからだという。

●ケンドリック・ラマーが客演する"Never Catch Me"はフライング・ロータスことスティーヴン・エリソンの自宅でレコーディングされたトラックだという。「ケンドリックは一人でうちに来たんだよ。パーカーのフードを被ってね。つまり、仕事にばっちり入れる状態でね。その場でライムを書いて叩きつけてくれたんだよ」。

●"Dead Man's Tetris"ではアール・スウェットシャツが「背後でわけのわからないことをわめいているのが時々聴こえる」はずだとか。

●"Dead Man's Tetris"に客演したスヌープ・ドッグは「もうちょっとでボツったかもしれない」出来だったのでスティーヴンはトラックに手を入れざるをえなかったという。ただ、スヌープは曲のコンセプトはひどく気に入っていて、自分も「こんな曲を作ったことがある」のを知っているかとスティーヴンに訊いてきたという。その曲が"マーダー・ワズ・ザ・ケース"(スヌープの代表曲の一つともいえる大ヒット曲)で、スティーヴンはその問いに「ああー、なんか知ってるかも」と答えたとか。

●今回使われているトラックやビートにはほかのアーティストに提供しかけたものも含まれているという。"Coronus, the Terminator"はマック・ミラーが使いたがっていたし、"Siren Song"は「もともとファレル・ウィリアムスを想定したトラックだった」という。ピッチフォークとのインタヴューでスティーヴンは「アルバムのコンセプトがファレルにはついていけなかった感じなんだよ。というのは、まあ、ほかにいい説明がないからこう言うけど、ファレルは"ハッピー"だからね。『ユー・アー・デッド!(おまえは死んでいる!)』っていうのはちょっと勘弁してほしかったんじゃないのかな」と説明している。

●"Ready Err Not"にはチャンス・ザ・ラッパーがフリースタイルを披露しているヴァージョンもあって「ライヴでもその音源を時々使っている」らしい。また、ビデオも現在制作中で、スティーヴンが一番好きなアニメーターを起用しているとか。

●"Eyes Above"のトラックはスタジオでFKAツイッグスとニキ・ランダと一緒に制作したものだという。また、ケンドリックが2番目のヴァースをレコーディングしていたのだが、これが「出せそうにもないんだな」とスティーヴンは説明していて「ケンドリックなしの"Eyes Above"なんて残念過ぎるよ」と嘆いている。ピッチフォークとのインタヴューでもスティーヴンは「政治的な理由から」ケンドリックのパートが外されたと語っている。

●"Obligatory Cadence"にはまた別ヴァージョンがあって、そこではスティーヴンが「(異教の)ある神様に雲まで引っ張り上げられて闇のない世界を見せられたという自分が以前見た夢について歌っている」という。

●また、今度の作品の制作の動機についてスティーヴは次のように説明している。「このアルバムの制作に乗り出した時にはこのコンセプトのせいで離れて行っちゃうファンもいるなとはわかっていたし、みんなを喜ばせるためにこの作品は作ったわけじゃないから。どういう結果になっても、自分がなにをやろうとしたのかは自分でもよくわかってるよ。ちょっとがっかりさせられることもいくつかあったけどね。もちろん、真実を『安直に』語るというのも結構そそられるものだけどさ、そんなことはもうどうでもいいし、自分にしかやれないものをやろうっていうね。ちょっと自己耽溺的じゃないのかって? まったくその通り。そこが重要なんだから。ぼくに言わせればね。だって、自分の話を聞いてもらいたかったんだから!」

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